協同回収グループ|企業名|人本経営企業のベンチマーク|株式会社シェアードバリュー・コーポレーション

人本経営企業のベンチマーク

協同回収グループ

秀逸なビジネスモデルと人本経営で輝く会社 協同回収

以前、産廃業で素晴らしい経営を実践されている埼玉県の石坂産業を紹介しました。同業者でこの会社を超える会社はそうは現れないだろうと思っていたら、優るとも劣らない会社があっさりと出現いたしました。

それが今年、第4回「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」を受賞した有限会社協同回収です。同社は現協同回収グループ代表を務める柴田正規氏によって1999年に創業されました。最近、各業界で目立ち始めている2000年前後に人本経営を創業ないし経営革新し頭角を現している企業の一つと認識されます。

香川県で柴田社長がトラック一台で創業したのが始まりですが、一代、それもわずか15年で産業廃棄物処理業において人本経営を形づくったことが見事です。

これぞ幸せ軸の人本経営という理念を掲げ実践

協同回収の理念を見るだけで明確に幸せ軸の人本経営を志していることが伝わってきます。

商売(商業活動)を通して、私も、家族も、社員(仲間)も、お客様も、地域も、業界も、周りのすべてを幸せにするのが私の使命である。――創業者 柴田正規

会社とは
会社は経営者のものではなく働いてくれている社員とその家族、協力会社、お客様、地域、業界、その企業に関わるすべての人のものであり、そのすべてを幸せにする為にある。


まるで坂本光司先生が経営をしているかのごとくです。

そして、実際に人本経営は実践されていて、社員の皆さんを中心に関わる方々は確かに幸せになっているのです。

ビジネスモデルは、石坂産業同様、不燃物のリサイクルに特化して成果を上げています。企業はもちろん、個人までを事業対象としています。業界では大変珍しく、廃品回収する一般消費者から直接資源を集める仕組みや、中古小売業など総合リサイクル事業を確立し、再資源率98%を誇るとのことです。

創業以来業績は堅調でしたが、リーマンショックで大打撃を受け、資産価値が10分の1に暴落、瀕死の状態に喘ぎました。その危機を救ったのは、幸せ軸の人本経営を志すという創業の精神でした。

なんとか持ち直し、2014年は仕入れ重量26,766トン、来客数21,717人と3年連続増加中で、売上高は17億6千万円、黒字経営を実現しています。

見本となる人本経営の進展

①高齢者が生涯現役で働ける会社
制度上定年は65歳としていますが、希望者は退職後に年齢制限なく就労できる配慮がされています。2014年10月現在、65歳以上の高齢者は全社員の10%に相当する6名となっています。視察時、回収された廃棄物を破砕する機械を操作していたのは74歳の社員でした。どう見ても健康そのもので、にっこり笑う笑顔が印象的でした。曰く「体が動く限り、ここでお世話になるつもり」とのことでした。職業人生の最期を本人の自主性に委ねているのです。

②多数の障がい者雇用を実現
ノートパソコンなどデジタル小型家電の選別作業で障がい者が大活躍していました。単純作業を粘り強く取り組む知的障がい者や自閉症の強みを活かし、戦力として雇用が進展されているのです。2014年6月時点でスクラップ部門に14名、中古小売部門に2名、計16名の障がい者が雇用されています。雇用率は38.18%という堂々たる雇用率を達成。うち重度障がい者の雇用率は31.25%。戦力なので全員正社員で雇用され、健常者と同じ賃金テーブルで処遇されています。立派な取り組みです。

③女性が働きやすい職場の実現にも成功
高知県のファースト・コラボレーション並に、女性が家庭の事情を最優先して働くことができる職場の風土や体制が出来上がっています。当事者の女性社員の口から「うちはお互いさまという社風。社員同士仲がいい。」という言葉が飛び出しました。月1回職場の皆と食事会をするそうですが、誰に強制されることもなく出席率は100%だそうです。


いかがでしたか。ほぼ完ぺきな人本経営が展開されていると感じられないでしょうか。ぜひ多くの会社にベンチマークしてほしい企業です。出会えたご縁に感謝です。



新SVC通信 第577号(2015.03.16)より

【配信ご希望の方へ】

『新SVC通信』は毎週月曜発行です
無料配信のお申し込みはこちらから

■協同回収グループ(柴田正規代表)
1999年に柴田代表がトラック一台から創業。それからリサイクルに関する様々な事業に挑戦し、リサイクル業では香川県No.1の企業に成長。また、障がい者雇用にも全力で取り組み、「障害者雇用優良事業者認定11号」や独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構より障害者の積極的雇用について「理事長努力賞」を受賞。2015年3月、第4回「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」中小企業基盤整備機構四国本部長賞を受賞。

※オフィシャルサイト
http://9410.co.jp/
  • 前へ
  • 一覧へ戻る
  • 前へ