第685号 社内対話を成功させる法2|2017|新SVC通信|株式会社シェアードバリュー・コーポレーション

新SVC通信

2017/05/22

第685号 社内対話を成功させる法2

「人を大切にする会社」に関するトータル情報誌
新SVC通信 第685号



社内対話を成功させる法2



(前号からつづく)

5.合意形成のルール

分科的にプロジェクトが立ち上がり、改善対策を練っていく際にさらにディスカッションを行う場が増えてくることが当然予測されます。そこで意思決定をするためのゴールデンルールをあらかじめ用意していきます。大原則は合意形成を図らなければ実行に移さないことです。「議論に参加したメンバーが納得して方向性や方法について合意を図ることができたら実行に移す」ことを絶対ルールとします。

[ベンチマーク]アクロクエストテクノロジー
重要な経営事項や職場のルールはMA(Meeting of All staff)と呼ばれる全社員参加の会議で決定される。社員理念「価値ある人生を、価値ある仲間と、共に切り拓く」に照らし、それが実現できるかどうかという判断軸で合意形成を図っている。

[ベンチマーク]HSA
同社では、新規事業などの経営決定に関しては社長も決定権が1票しかなく、全員が賛同し合意が形成されない限り、GOとはならない。1人でも反対があれば先に進まない。利用者・働くわれわれ・社会にとってより良いことかという3つのフィルターを通して考えた時に、どのような結論が得られるか、みんなで考え、合意形成に導くという行動理念を共有。ぶつかりあう、だからこそお互いの立場や考え方を尊重し、理解し合おうとし、合意形成を図ろうとする。意見を戦わせながら、またその一方で相手を思いやりながら、時間をかけて一致点を自分たちで見出していく。そういう経験が人間としての成長につながる。

<合意形成のための5つのルール>

合意形成の際には次の5つのルールを参加メンバーが尊重していくことを徹底しましょう。

 1.自分の意見はハッキリ言い、他人の意見もシッカリ聴く
 2.お互いの考え方や価値観の違いは認め、受け容れる
 3.少数意見は無視せず、考えの幅を拡げるものと考え大切にする
 4.平均値や多数決という葛藤を避ける方法は使わず、また安易な妥協はしない
 5.論理的であると同時に、各々のメンバーの感情やグループの動きにも十分配慮する

6.トップ、リーダーは支援者に徹する

委員会等のプロジェクト活動での決定や計画実施の段階で、トップや経営幹部は無用な口出しをせず、社員が自主的に自分で考え、自分で判断して行動するのを後ろでサポートすることに徹しましょう。

[ベンチマーク]ホテルグリーンコア
母親が子供をただひたすら見守るように、スタッフの話に耳を傾け対話を繰り返す。
手は放すけれど、目は離さない。結果、強い信頼が経営者とスタッフの間で出来上った。
グリーンコアの成功の最も大きなポイントは、この信頼に基づく人間関係が出来上がっているということ。人間関係が悪いと「お前がやればいい」という応酬になる。情報は分断され、引継ぎに支障がでる。それは24時間365日回転が必要なビジネスホテルにとっては致命的である。

同社の金子佑子社長の「支援型リーダーの心得」はとても参考になる。

・マネジメントは部下と闘うことではなく、スタッフの行動が次へ繋がるように環境を整えること。その結果、強い信頼感が経営者とスタッフの間に生まれる。
・業務命令では、自発性は絶対に生まれない。社員たちが自発性を発揮するためには「信頼されている」「受け入れられている」「関心をもたれている」状態をつくることが必須で、それを社員が感じて、自発性のスイッチを本人たちが入れる。
・信頼の人間関係形成のために、「コミュニケーション」と「任せる」は手段として重要。
・「コミュニケーション」は、チャレンジできるように背中を押すために、「任せる」は、社員一人ひとりに絶え間なく思考してもらうために実践している。そして、任せた以上は口を出さないことが肝要。「ん?」と思ったとき、何か言いたくなったときこそ信じて黙る。強制すると自発性はすぐに引っ込む。


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