第1031号 アドバンティク・レヒュース2024

第1031号 アドバンティク・レヒュース2024

アドバンティク・レヒュース2024

昭和のビジネスマンが、その場にタイムスリップしてきたら、
ここが会社とは到底思うことないだろうという空間が広がっていました。

サンシャインなウッドデッキ、高級そうな海外製の器具があふれているスポーツジム、
そして防音措置が施された音楽スタジオ、プールバー、、、
参加者は圧倒され続けられました(本文下部に画像)。

8年前に同社を当通信でレポートしたときから、
売上は約6倍の109億円、社員数は約5倍の310名へと確実な成長を遂げていました。

変化していた「経営方針7箇条」

人生に通ずる極意として、同社では経営方針7箇条が定められています。
8年前にお伺いしたときと変化があることに気づきました。

2016年
・心の経営
・人本経営
・信義経営
・衆知経営
・バランス経営
・脱力経営
・年輪経営

2024年
・人本経営
・信義経営
・衆知経営
・バランス経営
・脱力経営
・年輪経営
・自責経営

2016年にはなかった「自責経営」という言葉が新たに書き加えられていました。
これについてATRホールディングス社長の堀切勇真さんはこう説明されていました。

コロナ禍を経て、あの渦中にあっても成長をしている会社があることを知り、
何があっても、自分にむけて責任を全うして経営をしていくことを示した
とご説明されていました。

変わって「心の経営」がなくなっていましたが、それはもう実現できたということかと理解しました。
そうです。理念は進化させていいですし、深化しうるものなのです。

人本経営がいの一番へ

そして、人本経営の伝道に心血を注いでいる者としては、
なんともうれしかったのが経営7箇条のトップに「人本経営」が掲げ直されていたことでした。

人を大切にする経営を標榜している会社でも、
なかなか「人本経営」という言葉を前面に出してくれている事例はそう多くないのですが、
どっこいアドバンティク・レヒュースでは
金科玉条のごとく大切にしてくれているのだと胸が熱くなり、誇らしい気になりました。
だからこそ、立派な進化を遂げてきてくださったのだと大いに励みになり、
これからの伝道にも自信がつきました。

絶対に重要な価値観重視採用

こうした大事にしたい思いは、堀切社長が自ら決めてきたとご説明されていました。
それは絶対にぶれないための決意の現われでもあるし、
だからこそ、強くその価値観に共感してくれる社員が集ってくれることになると強調されていました。

同社ではあえて新卒採用は行っておらず、他社での雇用を経験した転職者を仲間にしています。
自分たちが大切にしてきた幸せ軸の価値観に強く共鳴してくれる人との出会いを重視しています。
人が足らなくてほしくして仕方ない時も我慢して、この軸だけは絶対にずらさないということです。
現実的には採用した87%は社員やあるいは自らによるリファラル採用になっているそうです。

これがないとギフトで終わる

冒頭に紹介した通り、びっくりするほどの設備投資をしている同社ですが、
自分たちが大切にしている経営理念に紐づけて、一つひとつ、なぜその設備投資をするのかという思い、
すなわちあり方を伝えていくことが欠かせないと堀切社長は強調されていました。

その思いを伝えないと、一過性の福利厚生にとどまり、
それは単なるギフトで終わり、すぐに醒めてしまうとのこと。
いつも仕事に打ち込める状態であればいいけれど、好不調の波は人間だからあるのは当然で
調子の悪い時は80%の力しか発揮できなくていいし、そういう時は自分が打ち込める好きなこと、
それが音楽をすることやジムで汗をかくこと、などでリフレッシュしてもらえばいいということで
あのような設備が会社に用意されているのです。

そしてモチベーションを取り戻し、また120%の仕事に取り組めるようになって、
年間で101%成長できればいいと考えているのです。
まさしく年輪経営ですが、その実現をこうして環境にしているのです。
見事というほかありません。

幸福総和No1を実現し続けていく

成功している企業の裏で泣いている人がいては、結果はマイナス、つまり経営は掛け算であると堀切社長。
当社がプラス10の結果でも、取引先が、あるいは社員がマイナス10の結果で終わるならば、
掛け算すればマイナス100の状態であり、これでは経営の意味がないと断じておられます。

そういう状態を創り出すために、
どんなことがあっても雇用を守り豊かな生活をしていけることを果たしていくから
安心して働いてほしいと社員に伝え、
さらに自分たち以外にどんな貢献をできるか、このことを真剣に考えて行動してほしいと
思いを社員一人ひとりに堀切社長はメッセージしています。

社員が増えてきたので、近年ではご自身は10人程度のリーダーとそのことについて対話し、
リーダーはまた次のリーダー候補10人と対話し、その次世代リーダーは現場の社員10人を支えていく
モンゴル式逆ピラミッドが同社の経営人事マネジメントの特色となってきたそうです。

大進化を遂げているアドバンティク・レヒュース。
人本経営の最高峰伊那食品工業に本当に手が届くところまで肉薄していると感じさせていただいた
激熱のベンチマーク視察となりました。

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これを契機に、さらに人を大切にする人本経営について
伝道していく使命を色濃くしていきたいと考えています。

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