第911号 注意喚起 流れが変わったパワハラ労災認定基準|2021|新SVC通信|株式会社シェアードバリュー・コーポレーション

新SVC通信

2021/10/04

第911号 注意喚起 流れが変わったパワハラ労災認定基準

「人を大切にする会社」に関するトータル情報誌【新SVC通信】



注意喚起 流れが変わったパワハラ労災認定基準



先月16日、名古屋高裁でパワハラ労災事件についての判決が下されました。

トヨタ社員自殺、高裁が労災認定 上司のパワハラなどで
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2010年に自殺したトヨタ自動車の男性社員(当時40)の妻(50)=愛知県豊田市=が、
労災を認めなかった豊田労働基準監督署の処分取り消しを国に求めた訴訟の控訴審判決で、
名古屋高裁は16日、上司によるパワーハラスメントや、業務とうつ病発症の因果関係を認定、
請求を棄却した一審判決を取り消し、労災を認めた。
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何度かお伝えたした2017年のトヨタパワハラ事件とは別の案件です。
それよりも先に発生した事件で、労基署、地裁がパワハラにあらずと判断した事案を
高裁がひっくり返したというニュースです。
そして、被告であった豊田労基署は上告しなかったために10月1日にこの判決が確定しました。

何が起きたのか専門家でもわかりにくいのですが、この記事が明快に解説しています。

<社説>パワハラ自殺 定義広げた二審判決
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パワハラに関する国の新基準が適用された。
一審名古屋地裁は「人格を否定する言動ではなかった」として訴えを退けたが、
高裁判決は同じ事実への評価を百八十度変え、パワハラだと認定した。

その基になったのは、二〇年に改正された厚生労働省の「業務による心理的負荷評価表」だ。
改正評価表では、「パワハラ」の項が新設され、
具体例として「必要以上に長時間の激しい叱責(しっせき)」や
「他の労働者の面前での大声かつ威圧的な叱責」など、
「社会通念で許される範囲を超える精神的攻撃」などについて、心理的負荷が「強」としている。
高裁判決は、この評価表に沿って、男性が三つの事業を担当するプレッシャーと上司の叱責によって
「精神障害を発病させるほど強い精神的負荷を受けた」と認定。
国(豊田労働基準監督署)に遺族補償と葬祭料の不支給決定を取り消すよう命じた。
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■遡及適用されたパワハラ認定

通常、法令は不遡及の原則があって、
その事件が発生した時よりも後にルール化された法令は拘束されません。
が、しかし、パワハラ認定は、この例外として遡及適用されたのです。
遡及適用は、国民の利益になる場合や、国民の権利義務に影響がない場合には
行うことも許される場合があるといわれています。
よって、パワハラ認定はこのケースに該当することになったということです。

これにより、わずか1年少し前の一審の判決が真逆の結果になったという訳です。
パワハラに関しては今回の労災認定基準が文字通り基準となっていきます。
これは今後、企業の労務管理に大きな影響を与えることが必至となったといえるでしょう。

以下が問題の新たに労災であるとされたパワハラ認定基準です。

■今回、労災認定の基準として新設されたパワハラの状態基準

改定された心理的負荷評価表

・「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」
【強いストレスと評価される例】
1.上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
2.上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
3.上司等による、人格や人間性を否定するような、
業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が執拗に行われた場合
4.心理的負荷としては「中」程度の精神的攻撃等を受け、
会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

さすがに1.や2.のような暴力が発生するケースは、普通の会社ではありえないでしょうが、問題は3.です。
長時間の叱責、大声を出す、見せしめ的に皆の前で叱るといった行為については
グレーな企業も少なくないのではないでしょうか。
そして、4.の「会社に相談しても改善されない」ということが今後問題になってきます。

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