第1108号 期待感高まる「日本成長戦略本部」

第1108号 期待感高まる「日本成長戦略本部」

岸田・石破政権による新しい資本主義実現会議を就任直後に廃止すると宣言した高市早苗首相が変わって行う経済政策「日本成長戦略本部」の初会合が11月4日に開催されました。人工知能(AI)・半導体など17の戦略分野を設定し、官民連携による重点的な投資の実現を目指す方針です。首相は会合で「日本の供給構造を抜本的に強化して強い経済を実現する」と強調し、来年6月ごろに新たな成長戦略をまとめる方針だといいます。

高市首相へ提言

成長戦略に今後、成長が見込める分野への積極投資を傾ける基本方針は大いに結構ですが、加えて、持続可能性を高める企業社会の「あり方」についての議論と具体的方策について明示して永続の道へ進む企業が増えるような政策をぜひとも導いていただきたいと切に願うところです。

第1回の会合では、17の戦略分野に加えて、横断的課題として8つの課題が掲示されています。

その中に「人材育成」「労働市場改革」「介護、育児等の外部化など負担軽減」「賃上げ環境整備」と半分の項目で、確実に間違いなく、幸せ軸の人を大切にする経営(人本経営)の実践が有効だと目されるテーマがあり、真摯に期待したいところです。

人本経営では、年輪経営を志し確実に世間相場以上の給与水準をはかることを実現していきます。おおよそ年齢の15倍の年収となることを前提としていますから「賃上げ環境整備」にはまさしく人本経営に成功した事例そのものが好例となります。

また育児休業、復職100%さらには中高齢者に対する介護と仕事の両立支援に余念がないことは人本経営の得意技であり「介護、育児等の外部化など負担軽減」についてこれ以上の教材はありません。

長期に安定的な雇用を実現するので「労働市場改革」でも幸せ軸経営の会社に円滑な労働移動が進むことでよい状態が実現していくことでしょう。

さらには、「人材育成」については、これからは何といっても人間力の養成が重要です。抜群に高い人間力を体現されている高市首相であれば、このことに異論はないことでしょう。人を大切にする経営(人本経営)は人間力向上が人づくりの生命線です。

「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」に刮目してほしい

具体的に、ではどういう政策を実現していけば持続可能性が高くなる経営を後押しできるかといえば、すでに人を大切にする経営学会では、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」という公的顕彰事業を立上げ、15年間の歴史を刻んでいます。これまでに278社、表彰されています。過疎地域、斜陽産業であっても、それらの会社は、確固たる前進を続け、雇用を増やし、人々の幸せを増進し続けています。まさしく日本の宝といえるでしょう。受賞企業が増えれば増えるほど、わが国は豊かに強くなることは間違いありません。同賞は昨年、遂に内閣総理大臣賞の創設にも至りました。ぜひとも成長戦略会議において、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を目指そうという機運を盛り上げていただきたいと強く念願と箴言いたします。

日本電鍍工業伊藤麻美さんに期待

第1回会議で有識者構成員として選ばれた12名の方の中に日本電鍍工業の伊藤麻美社長のお名前があり、これは凄いと小躍りいたしました。中小企業代表として選定されたと考えますが、まさしく同社は人本経営を体現されていて、当方もこれまで3度視察をさせていただいた注目の「いい会社」です。同社のような企業体になるための答えが「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を目指すことなのです。同社に光を当てた「日本成長戦略本部」はセンスがよく本当にこの先に大いに期待をしております。<参考>日本電鍍工業視察記「絶対にリストラしない、炎の経営 日本電鍍工業」 (了)

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