第768号 人本経営の重要性に気づいた経営者に知っておいてほしいこと|2019|新SVC通信|株式会社シェアードバリュー・コーポレーション

新SVC通信

2019/01/21

第768号 人本経営の重要性に気づいた経営者に知っておいてほしいこと

「人を大切にする会社」に関するトータル情報誌
新SVC通信 第768号



人本経営の重要性に気づいた経営者に知っておいてほしいこと




自己中心的な生き方からの脱却に成功すること、簡単に言うと人本経営に成功するということは、そういうことだと感じます。

超ワンマンだった先代から経営を引き継ぎ、後継者になったその社長は、先代からずっと「返事はハイかYESだぞ」といわれて育ってきました。自分が経営者の番になって、同じように社員にそれを求めていったそうです。

しかし、時代は変わりました。支配型リーダーシップで企業経営が回るような環境は、もはやほとんどの業界・業種で存在していません。どこもかしこも人手不足常態が蔓延していて、大量生産して大量販売できる仕組みは維持できず、そのことを実現できる市場ももはやありません。

いわゆる斜陽産業といわれる事業で後継者となり、ワンマン経営をしたその会社は、人心が離れ、見る間に窮地に陥っていきました。これではもたないと気づいた社長は、自分自身が変わらなければならないと、いろいろと学びだしては会社に導入しました。しかし、それまでの社員との関係性は最悪に近い状態でしたから、何をやっても空回りに終わったといいます。

この陥穽は、ままみられます。最近よく、ほんとうにこれからは社員を大切にすることが大切ですね、人本経営の時代ですね、と言われます。多くの経営者がコトの重大性に気づき始めました。そこで、いい会社がしていることを採用して自社でチャレンジするのですが、思うように結果が出ず、ショックを受けるというケースをよく目にしています。

たとえば、よかれと思ってサンクスカードを導入したり、対話型の朝礼を実施してみたりするのですが、まったく効果が得られないのです。その会社も「トイレ掃除がいい」と聞き、うちでもやろうと社員に働きかけましたが、社員たちは冷たい反応で誰も従おうとしなかったそうです。

■まず普通の状態をつくることが重要

やむなく社長は、たった一人でトイレ掃除を始めていきました。来る日も来る日も続けて、気づくと1年が経っていました。2年目、見るに見かねた奥方が手伝いだしてくれたそうです。そして、3年目、ついに社員たちが、「社長、自分たちもやります」と腰を上げてくれたそうです。

体験的に、社員意識調査の結果で現状に不平不満を感じる社員が3割以上に達している場合、人本経営的な経営人事を試みても結果が伴わない可能性が高くなります。いわゆる「悪い会社」の状態にある場合は、まず「普通の会社」に状態を整えることが必要なのです。件の会社では、社長が掃除を始めてから3年間は、悪い状態から普通の状態になるプロセスの期間だったとみることができるでしょう。人の信頼回復には、やはりそのくらいの時間はどうしても必要になるということを認識しておく必要があります。

普通の会社の状態になってから、会社を維持発展させることは、社長一人ではできないので、社員を守り、その家族を守るための会社をつくっていくことを経営者の使命として、社長は心を決めたそうです。

そして、さらに3年間が経ち、現在ではストレスのない経営者としての自分の姿があると語っています。社員に対して腹が立たなくなり、ガミガミと責めることもなくなったということです。さらに、社員との関係の質が良好になっていくのと同時に、商売が好転してきている手応えを感じていったというのです。まさしく関係の質→思考の質→行動の質→結果の質という善循環の法則が発動したのです。

会社の状態は、上位:普通:下位の2:6:2が一般的に「普通の会社」といわれる水準です。今、その社長は、もし仮に下の2割があったとしても、会社にいてくれるだけで十分だという境地になっていると語っています。自発的に行動する社員との対話や権限付与、サポートは積極的に行っていますが、受け身で仕事をしている社員に対しては、特段要求することもなく、自分のペースで仕事をしてゆっくりでも共に成長をしていってくれればいい、と考えているということです。

社員からは、「居心地のいい会社」「チームワーク力がある」「コミュニケーションをとる時間、場所が多い」「風通しがよくなった」と前向きな発言を多く聞くことができました。

悪い状態の会社から普通の状態になるのに3年、そして、さらに3年が経ち、「いい会社」の仲間入りをすることができたのです。

人本経営が重要だと気づけても、今の会社の状態が悪い場合、すぐに幸福追求型に舵を切るのではなく、まずは不平不満を解消し、会社を普通の状態にもっていくことが肝要なのです。




【配信のお申し込み】――――――――――――――――――

SVCでは、「人を大切にする会社」に関するトータル情報誌として、毎週「新SVC通信」を発信しています。
無料配信のお申し込みはこちら


【SVCからのお知らせ】――――――――――――――――――

★2019年度『人本経営実践講座』募集開始!

 ◎東京講座・・・2019年4月24日(水)開講
 ◎大阪講座・・・2019年4月27日(土)開講


昨年は島根県でも人本経営実践講座が開講。これまで東京・大阪・四国・島根で合計12期の開催実績があります。参加企業は延べ96社、参加者は140名となりました。講座は10か月の長丁場ですが、2018年度生も期の中盤からみるみる良い状態になってきているのがわかりました。
人本経営を極めて「いい会社」をつくりたい――その願い、想いは必ず叶えられます。
これまでの揺るぎない実績をもとに、自信をもって2019年度生(東京6期/大阪5期)をお迎えいたします。

 ※詳細・お申し込みはこちら→ http://www.keieijinji.com/event/?id=1547614756-871651


★「いい会社をつくるセミナー」

『いい会社をつくるセミナー』を開催します!
「いい会社ってなに?」「どうすればつくれるの?」が分かる、気軽に参加できる2時間のセミナーを毎月開催していきます。会場は東京&大阪の2か所。参加費はお一人3,000円(税込)です。
 
 ※詳細・お申し込みはこちら→ https://goodcompany.peatix.com/view
 ※当サイトにも掲載しています→ こちらをクリック

★「中小企業のための健康経営セミナー」

 ~これからの時代、中小企業が生産性を上げるためには、
  “健康経営”が大きなカギとなることをご存じですか?~

小林も参加する「元気な会社を作るプロジェクト」が主催するセミナーです。
“健康経営”を提唱した平野治氏を招き、中小企業が生産性の向上を目指す“健康経営”とは何かを語ってもらい、“健康経営”に対する理解を深め、その実践を促します。後半のリレー講演では、小林もお話をさせていただきます。
 
昨年の11月には横浜市で『健康経営認証』制度がスタートし、関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか?健康経営を知る絶好の機会です。みなさまのご来場をお待ちしております。

 日 時:2019年2月25日(月)13:30~16:30
 場 所:新横浜ホール AB会議室
 参加費:3,000円(税込)

 ※詳細・お申し込みはこちら→ https://genkinakaisha.peatix.com/


  • 前の記事
  • 一覧へ戻る
  • 次の記事