第933号 パワハラ対策を怠る中小企業は息絶える|2022|新SVC通信|株式会社シェアードバリュー・コーポレーション

新SVC通信

2022/03/22

第933号 パワハラ対策を怠る中小企業は息絶える

「人を大切にする会社」に関するトータル情報誌【新SVC通信】



パワハラ対策を怠る中小企業は息絶える



通称パワハラ防止法といわれる労働施策総合推進法が改正され、
新たにパワハラ労災として定められた新認定基準が
いよいよ4月1日から中小企業にも適用されてきます。

新しい認定基準については、920号でレポートしました。

先行して適用されている大企業では、
トヨタ自動車で発生した過去の事案が象徴的に新基準で逆転労災認定がされ、
その後、次々に訴訟や労基署での認定が続いています。
最近の状況

職場でパワハラと思わしき行為があり、労働者が精神疾患になり、
正常な労働ができない事態になると、
今後、パワハラによる労災と認定される可能性が格段と高くなっています。

企業や行為者に対する損害賠償を求める民事訴訟も増えてきており、
不幸にも労働者が自死に至らしめられたケースでは、
億単位で和解するという事案も珍しくなくなってきました。

企業が法律に基づいて何をすればよいのか、
ということについては910号でご紹介した通りです。

しかし、コンプライアンスレベルを引き上げただけでは、
パワハラを巡る労務リスクは根絶できません。
パワハラのような不毛な労務問題をけっして発生させないための真の対策には、
人を大切にする組織風土、企業文化の醸成が不可欠です。

したほうがいい、ではなく、しなければならない

当方が、15年にわたって、提唱させていただいている人を大切にする「人本経営」を今こそ、中小企業は本気に取り組まなければならない段階になったと
警鐘のレベルを最上位に引き上げさせていただきます。

仮に、パワハラの被害を受けているのではないかと感じる社員がいるとします。
どういった行動をすることが考えられるでしょうか。
あるいは周りの労働者はどう行動するのでしょう。

ケース1  労基署等へ駆け込む

新基準に基づき、要件を満たしていると判断されれば、
労災と認定され労働者は補償を受ける対象になります。
企業には調査が入り、是正勧告、指導は必須です。

加害上司や会社は、損害賠償、慰謝料の請求をされます。最悪訴訟になります。
この場合、いわゆるユニオン、もしくは労働弁護士が交渉相手となってきます。
生産活動にまったく意味のない時間が費やされていきます。

何か月かの時間の浪費と、訴訟もしくは団体交渉の窓口なる経営者
あるいは人事担当者の精神的摩耗も少なくないことでしょう。

一件片付いたとしても、加害社員に対して再教育などを施さないと、
再発する可能性が考えられます。

労働紛争状態がたびたび起きては、とてもまともな企業活動ができなくなります。

そんな状況見せられた社員たちは「会社は何やっているのだ」と
士気が下がることは言うまでもないことでしょう。

ケース2 退職者の発生

どこかに駆け込むより、もしパワハラされていると悩んでいる社員は、
圧倒的に退職という選択をしていきます。
人手不足状態がさらに深刻化し、
やがて労務倒産という憂き目に見舞われる危険性が高くなっていきます。

ケース3 無気力上司の誕生

きつく指導するとパワハラと認定されるなら、
もはや部下と関われないと上司が警戒し、
本来すべき部下の人材育成や動機づけなどがはかられなくなり、
組織活力の減退が甚だしくなります。
関係の質が棄損されれば、業績といった結果に直結することは確実です。

パワハラが発生するリスクを放置することは、
企業にとって何一つ、いいことはありません。

人間の体でいうならば、血栓が体の血液中に発生することと同様です。
よい生活習慣が命を救います。
同様に、よい組織風土が会社を救うのです。

もう時勢は決しました。人を大切にする経営を真剣に実施していくしかありません。

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