第678号 顕彰事業の研究1・2 日本でいちばん大切にしたい会社大賞/四国でいちばん大切にしたい会社大賞|2017|新SVC通信|株式会社シェアードバリュー・コーポレーション

新SVC通信

2017/03/27

第678号 顕彰事業の研究1・2 日本でいちばん大切にしたい会社大賞/四国でいちばん大切にしたい会社大賞

「人を大切にする会社」に関するトータル情報誌
新SVC通信 第678号



顕彰事業の研究1・2
日本でいちばん大切にしたい会社大賞/四国でいちばん大切にしたい会社大賞



人本経営という言葉は使っていなくとも、儲かることを目的とするのではなく、それはあくまで手段で経営に関わるステークホルダーが幸せになっていくことこそが存在理由と理念を明確にして行き始めた企業が急増していると感じています。そうしたいい会社づくりは、業績のように目に見えることを追いかけるのではないので、その達成度合いをどう判断していくかということで考えさせられるケースも少なくないでしょう。そんな企業にとって、第三者評価をうまく活用していくことはとても効果的です。そこで当通信では、いい会社づくりの機運が増えるとともに、ここのところ増え始めている顕彰制度や表彰事業を紹介していく企画を実施していくことにいたしました。

【顕彰事業の研究1】 日本でいちばん大切にしたい会社大賞

※表1参照

<制度の特長と受賞のための方法論>

2011年にベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者である坂本光司法政大学大学院教授が中心となって設立された。書籍に登場するような人を大切にする会社を顕彰し社会に啓発していくことを目的としている。過去5年間に社員への退職勧奨、取引先へのコストダウン強制、障がい者法定雇用率未達成、経常利益が赤字、重大な労災の発生がある場合は応募できない。

このように応募基準が厳格であることが最大の特長。特に障がい者雇用が5年間法定雇用率=2.0%(2017年3月現在)に達していないために応募を断念する企業が多い。よって、障がい者雇用について正しい見識があり、自社でそれなりの取り組みをしていないと受賞は難しい。逆に障がい者雇用や障がい者支援で目覚ましい功績があると特別賞等を受賞できる場合もある。経営者が本気で人本経営を志し、障がい者雇用も法定を上回る特段の取り組みをしていくことが受賞のための方法論となる。


【顕彰事業の研究2】 四国でいちばん大切にしたい会社大賞

※表2参照

<制度の特長と受賞のための方法論>

2012年、四国経済産業局をはじめとする四国内の公益団体が連携して前年に設立の「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の地域版として創設された。人を大切にするいい会社を増やすことで地域活性化を図っていくことを目的としている。応募基準は日本でいちばん大切にしたい会社大賞より緩和されていて、四国地域に所在する企業または民間団体であって、過去3年以上にわたって下記9項目のうち6項目に該当していれば応募が出来る。

 ①会社都合解雇がない
 ②重大な労災未発生
 ③高齢者の就労機会の確保
 ④社員満足度調査の実施
 ⑤仕事と子育て・介護を両立するための環境を整備
 ⑥下請け企業・仕入れ先企業へのコストダウンを強制していない
 ⑦障がい者雇用の実施
 ⑧環境保全活動の実施
 ⑨黒字経営(経常利益)

西精工、ファースト・コラボレーション、徳武産業、四国管財は四国でいちばん大切にしたい会社大賞受賞から日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞へ発展し、全国的に名声を高めている。

受賞することで地域から一目を置かれ、採用活動をはじめとする経営にとって利点となることが多く、四国に所在する企業は目標にすべき顕彰事業といえる。本賞の基準を意識していい会社づくりをするのがよい。


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