いい会社視察記録

有限会社ライト・ライズ


有限会社ライト・ライズは千葉県で居酒屋(とりのごん助など)を5店舗展開しています。代表者の寺本幸司さんは、2014年7月に開催された「第1期人本経営実践講座」に参加しています。

当初、寺本さんはトライアル(初回のみ受講)でのお申し込みでした。その初回講座である第1講「人本経営ベーシック」では、人本経営を志している会社の共通するあり方(社員第一主義・現場重視・労使ではなく同志の関係の構築・社内対話の活性化・社員の長所、強みを活かす経営・全員参画型経営・高い社会貢献性の実現・年輪経営の実践など)について指南いたしました。

寺本さんがその講座を受けて語った言葉です。「うちの会社、ほとんど全部できていると思う。」

そこまで言うなら、ということですぐに視察に行きました。ライト・ライズでは、毎週月曜日、社員が集い会社をよくしていくミーティングが開催されています。「それを見ていただければ当社を理解できます」ということなので参加してきました。

自主的にミーティングに参加したいと申し出た6名の社員は全員、平成生まれの若者たちでした。寺本さんはほとんど口出ししません。誰一人やらされ感なく活発な意見交換がされ、店づくりのための重要事項が次々と決定していきます。

ここで決定された方針は、このミーティングには参加していない店長に伝えられ了承されます。店長は管理者ではなく支援者という存在になっていました。人本経営ではリーダーは支配するのではなく、全員を主役にするサーバントリーダーシップとなりますが、確かにここではそれが実現していたのです。

言うだけのことはあり、幸せ感が充満している職場でした。見事としかいいようがない視察となりました。しかし、これまで寺本さんは孤独だったそうです。「綺麗ごとだ」「偽善者だ」という人も多く、「考えが甘い」と言われなき指摘をされることも多々あったからです。寺本さんは同期生の勧めもあり、第1期人本経営実践講座に正式に参加してくれました。そして、講座の最後にこんな感想をいただきました。「出会い、学び、多くのきっかけを頂く中で今までの自分たちのあり方に、自信と確信、そして誇りを持つ事ができました。」今までの社会が異常だったのです。よく人本経営を貫き通しました。


同社では毎年3月に働いてくれた学生に感謝するため全店舗を休業にして「卒業式」イベントを行っています。これにも参加させていただきました。式から二次会まで、愛と思いやりが交差し続けていました。愛、感謝、恩といった言葉をほとんどのスタッフが口にしていました。なかでも多かったのは「幸せ」でした。
60人近いスタッフの90%は幸せ軸に高い親和性を備えている平成世代。人本経営の職場でまさしく青春を謳歌していると感じられました。外食という業種でも見事に人本経営は花開くのです。今回卒業していく学生たちは10名。うち4名は同社に職業人生をかける決断をしています。正しいと思います。必ず幸せな人生が待っているはずです。

そして生産年齢人口が激減している人手不足の時代に大きな示唆を与えています。人本経営に成功した会社は、アルバイト学生から幸せ軸に共感共鳴する社員採用が澱みなくできるということです。価値観のあった優秀な人財の採用に困らなくなるのですから、永続の切符を手に入れたのも同然です。ライト・ライズでは常時数十人の学生たちが働いています。仲間からぜひ一緒に働こうと誘われたり、お客さんである親からぜひ子供を使ってほしいというご縁が出来たりしているのです。

これからの時代の新しい人財採用のあり方と言えるでしょう。逆に従来型業績軸では、ますますいい学生との縁が結べなくなってきている時代ともいえるのです。

新SVC通信 第578号(2015.03.23)より


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