いい会社視察記録

株式会社高橋ふとん店


徳島空港に着陸が近づいてくると「ふとんのタカハシ」ととても目立つ看板が目に入ってきます。空港のすぐ脇に全国へ配送するための拠点を構えているのが株式会社高橋ふとん店です。

同社は現社長の高橋武良さんのご両親により昭和42年に創業、現在では売上44億円、140人の社員数となっています。会社は高橋社長の代になって売上規模が8億から15.6億に急成長しました。当時は、自分の力で伸びたと考えていましたが、売上が上がれば上がるほどしんどくなっていきました。急成長に対応できる人材採用が追いつかなったのです。

そんな中、2000年に新卒の採用に踏み切りました。5人も採用出来て、わが社に人生をかけてくる若者がこれだけいるということにとてもうれしく感じたそうです。しかし、その喜びは長く続きません。定着しないのです。新卒採用を始めて4年目には11人採用しましたが、あっという間に9人が辞めていってしまいました。社内からは新卒は駄目だという声が上がり、高橋社長も辞めていくほうが悪いと考えていました。しかし、この大量離職時、これはどう考えても自分が悪いと気づいたそうです。

そう思い立った高橋社長は、希望をもって入ってきたのに辞めていった多くの若者たちに申し訳ないという気持ちが沸き起こってきました。そして、「辞めた人たちは自分に何を伝えたいのか、残った人には何をすればよいのか」との思いが胸に去来しました。


悩んだ末出した結論は、社員教育しかないという答えでした。

それまでは会社の都合のいいことばかり教え込む社員教育でした。そこで社員研修の内容を刷新しました。入社時、3か月・6か月・12か月・18か月経過時にきめ細かく研修を実施していくことにしました。入社後のそれぞれの経過時点で、どういうことで就業継続に不安や悩みを感じるのか聞き取り、新卒社員に寄り添うような内容にしていきました。問題は解決できることに越したことはないが、それが唯一の策ではなく、共有するだけでも十分に効果があったと高橋社長は回想されています。どう考え、どう行動していけば幸せになれるのか、そんなことを気づき合う研修に変わっていったそうです。体験型ワークの手法を多く取り入れ、協力関係が出来て仲良くなっていったそうです。研修を通じて関係の質を向上させていったということになります。まさしく社風をよくする研修です。

大手の激戦に勝利し続けて現在の繁栄がある同社ですが、効率を求め安易に安売りをする経営をせず、「その人から買いたい」と顧客から信頼される社員の人間力が躍進の原動力だと高橋社長は語ります。社員一人ひとりの人間力を高めていくことは、大企業に勝てる要素だと考えているのです。いうまでもなく、その醸成に先の社風をよくする研修が役に立っていることでしょう。人づくりの根幹は、作業の専門家ではなく商品の専門家を養成していくことだと定めて実践してきたということです。

社長の仕事で大事なことは2つあると高橋社長は言います。
一つは、頑張れば報われる仕組みづくり、そして、もう一つは、楽しく働ける環境づくりと指摘されています。

頑張っても、頑張っても成果が出ない仕事をさせていくことは、結局誰も幸せにならないので、そういう方向へ経営を導いては社長失格だということです。つまり、常に変化してニーズある方向で事業を組み立て、社員の努力がヒットする新商品開発につながるような舵取りをするのが経営者の正しい姿というのです。ずっとやってきたからということで前歴踏襲して縮小が目に見えている市場で社員を働かせては報われません。

今、高橋社長は自社の事業領域を予防医学と位置づけています。健康で長生きするためには、絶対に快眠が欠かせず、そのことで社会に役立つ方向へ同社の経営を導いていこうとしているのです。その先にある50兆円といわれる医療介護の市場を高橋社長は視点に捉えているのでした。

新SVC通信 第625号(2016.03.07)より



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