第1112号 「社風をよくする研修」の実際
2025.12.8
弊社では、人本経営を職場の企業風土として形成していくために、全社員で参加していただく「社風をよくする研修」という社内研修を多くの会社で実施してきました。これを繰り返ししている会社の雰囲気はとてもよく、そこで働いている社員の皆さんは本当に幸せそうに働いています。
質のいい対話の場づくり
この研修の時間は、確実に社内の人間関係の質を高める大切な対話の場になっていると感じています。レクチャーやワーク、映像視聴やツールの使用など様々な手段を用いて、参加者に以下の利他の精神を高める気づきを得ていただき、それを現場に持ち帰って行動に変えてもらうことを伝えています。
利他の精神・・・・対話する・傾聴する・顧みる・気に留める・考える・合意形成をはかる・信頼する・任せる・承認する・感謝する
対話がすべての起点
対話を大事にするのは、人となりを理解するためです。そのために傾聴していくことが重要になります。人となりとはその方の主観ということです。それは本当に人それぞれです。対話をしていると「何それ、ありえない」「信じられない」ということが往々にして起きてきます。しかし、相手はありえるし、信じているのです。ここで変わった人で終わっては関係の質は高まりません。そこで「どうしてそう思うの?」と傾聴していくのです。すると相手はそう感じている理由を語るでしょう。それを知ることで、ああそんな経験をしていたんだ、だったらそう考えるのも理解できるかもと共感ができるようになってきます。
違いは違いであって間違いではない
相手が語っている言葉の背景を傾聴していくと、その人が大事にしている価値観を知ることができます。自分の価値観と違っても、法に触れるなどの問題がなければ、間違いではありません。その理解ができれば、相手のことを顧みて、気に留めて、それではこうしてあげようとか、そっとしておこうと思考の質と行動の質がよくなっていきます。こうなると相手は自分のことを理解しようとしてくれるありがたい存在と感じるようになるでしょう。理解されると人は行動を変えることをしていきます。それが鏡の法則として返ってきて、相互の関係の質はさらに良くなっていきます。
チームワークを活性化させる合意形成
職場ではチームワークをしていくことが求められます。言われたことをやるだけのチームのパフォーマンスは1にしかなりません。そこでさらに対話を進めて、全員が納得して行動できるように合意形成をはかるプロセスが必要になります。研修では、たびたび「合意形成の実習ワーク」をメニューとして参加者に体感していただきます。正解のある合意形成のワークでは、最初に個人で出した答えより、合意形成した答えの結果がこれまでの実績で9割以上のチームで正解に近づいていきます。この体験は大きく、正解がどこにあるかわからない普段の仕事でも対話して合意形成をはかっていくことの重要性を学び、実際の仕事でも役立てていただけていると存じます。
「待つ」は支援型リーダーの仕事
メンバーが納得したら、リーダーは信頼し、任せる、「待つ」行動に専心していきます。そして、できなかったことができるようになる成長や人間力の向上など確かな進歩という事実が発生したら、すかさず承認という声がけを重ねていきます。そして、同じ職場で働けること、力になってくれていることへの感謝心を増進させることを「社風をよくする研修」では繰り返し大事していこうとファシリテーションをしています。これを繰り返すのですから組織風土がどんどんよくなっていくのは当然のことといえるでしょう。
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