第1099号 幸せ実現のための教訓 「正しいか、正しくないか・自然か、不自然か」
2025.9.8
恩師の坂本光司先生は、教え子たちに事あるごとに、次の戒めを訓示されています。
いつの時代も「正しいか、正しくないか」「自然か、不自然か」を軸にして考えるべきです。「儲かるか、儲からないか」「成長するか、しないか」ではなく「正しいか、正しくないか」「自然か、不自然か」を軸にすれば、間違った方向に進むことは決してない。
人として大事な示唆
この訓示は経営者に対して投げられたものです。ですが万人にとって心しておかないとならない教訓といえます。正しくない、不自然な生き方をしていくと、刹那は都合がよいかもしれませんが、すぐに不幸な現象や自分にとって後悔やもう戻れない残念な結果が待ち受けています。その理由は、関わる人や対象者との関係の質を破壊していくからです。関係の質を破壊するから結果の質は推して知るべしになるのは当然の帰結です。
正しさをキープしていくために
まず、正しさをキープしていくためには、絶対的にエゴすなわち自己中心的に生きないということです。調子に乗って思い込み、自分勝手な行動をすると必ず反射がおきます。そこで、何故わからないと相手を責めるとさらに事態は悪化していき、収拾がつかなくなってしまいます。悔しくて辛くても、その事態を招いたのは自分の正しくない行動がもたらしているのですから、自分を変えていくしか今の状況を変える術はありません。何が正しいか、これをしっかり意識しておかないと、すぐに規範が崩れてしまうので注意が必要です。胡坐をかくと正しさが失われていきやすいことを肝に銘じることです。芸能界を揺るがした性加害問題が象徴的ですが、スターやタレントプロダクションの社長が、安定した地位や成功に満足して、相手への慮りを忘れて、増長して傲慢になる行動をすることが正しくないということです。不倫もまた同じです。自分さえよければと刹那の満足を求めては破綻するのです。自己満足という軸はとても怖いのです。相手も自分も良好になる幸せ軸がやっぱり人として大事な生き方としか言いようがありません。利他の精神を磨いていきましょう。
自然に生きていくために
自然に生きていくこと、これも口で言うのは簡単ですが、実践はなかなか大変です。コロナ禍で健康への関心が高まり、また人との接触を避けやすいということで過去に類を見ない自転車ブームが巻き起こり、一時は需要に生産が追いつかない状況にもなっていきました。しかし、コロナが落ち着いた現在、自転車業界は在庫過多で不況に陥っています。ブームに乗って増産体制を敷いてしまい、ブームが去って不幸が訪れているのです。身の丈で木の年輪のように自分の力で昨年より良くなっていくことこそが自然なのです。自然に生きていくために、日々、原点回帰することを習慣化していきましょう。
教訓を守れなかったとき
こうして幸せのための教訓を意識しても、人には煩悩がつきまとっているので、ちょっとした弾みですぐに羽目を外しまう、あるいは強欲な行動をしてしまうことがあります。それにより相手を傷つけてしまったら、謝罪していくしかありません。それは早ければ早いほどよいでしょう。相手は許してくれないかもしれません。相手は自分ではないのでそれ以上変えられません。起きてしまった過去も変えられません。それを招いた自分の行動を猛省して、再度、幸せ軸で生きていくことに立ち戻り、今日を生きていきましょう。
相手を責めても健全な未来はこないのです。これでよかったと悟りましょう。その体験は、次に同じような出来事に遭遇したときに役立つはずです。経験を生かせれば必ず幸せ増進が実現していくのですから。
このコンテンツの著作権は、株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(以下SVC)に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、SVCの許諾が必要です。SVCの許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。