第1121号 電撃社長交代劇、トヨタはどこへ向かおうとしているか

第1121号 電撃社長交代劇、トヨタはどこへ向かおうとしているか

突如として報じられた”トヨタの社長交代劇。いったい何が起きようとしているのでしょうか。関連メディアの記事から、その真相に迫りたいと存じます。まず、お膝元のトヨタイムスは、2026.2.6付けで以下のようにリリースしています。

経営チームのフォーメーションチェンジ 佐藤社長が副会長、新社長に近執行役員

今までみたいにトヨタの中で頑張ればそれができる時代ではもうなくて、業界、経済、あるいは通商とか、いろいろなものと絡み合いながらトヨタのビジネスは存在している。そう思うと「場」。今年の年始に豊田会長が書初めで「場」と書かれたが、「場」なんだなと。  我々の頑張るべき場が広がっているし、変わっていっている。自分がいるべき場はどこかというのを考えた時に、今回の決断に至りました。だけど大きな軸、「日本を良くしていくために役に立とうぜ俺たち。だって産業報国って言ってきたじゃないか」というようなことを会話しました。

続いて、2026.2.8にJBPressが次のように伝えています。

【トヨタ社長交代】なぜ3年で?佐藤社長、近次期社長の記者会見から読み解く2つの事情…高市政権“応援”の意図も?

まずは、日本の産業界全体の競争力を高めることについて。佐藤氏は記者会見で今年1月末に「日本をもっとよくすること」について豊田氏と話し合ったという。佐藤氏は現在、日本経団連副会長と日本自動車工業会の会長も務めている。CIOに就くことで、仕事の軸足をトヨタという一企業のトップから産業界全体を見据えた仕事に移す。 具体的には、日本の自動車産業の競争力が、台頭する中国の自動車産業に負けないようにするために、日本のオール自動車産業で協調し合えることを増やしていくために汗を流すということだろう。この点について佐藤氏は「トヨタと他社でつばぜり合いをして違うことをやっている場合ではない」などと述べた。これは、AIとの融合による無人運転などの新しい技術が台頭している中、新しい技術の社会実装のために日本の自動車産業が全社一丸となって取り組む、ということを意味している。

業界全体、ひいては日本全体をよくしていくための体制チェンジ

驚いたトヨタの社長交代劇ですが、記事によれば、役割変更によって、自工会の会長を務める佐藤現社長は副社長となりトヨタを含む産業全体に軸足を置き、近新社長は社内に軸足を置くフォーメーションにするということです。たしかに人本経営に成功した企業は業界全体をよくしようと行動するケースは多いです。今回のトヨタの社長交代、新体制が本当にそれを意図したものなら歓迎であり、これをきっかけに同業他社が幸せ軸に転換していくきっかけになるならば期待をしたいと感じます。しかしながら、あまりに差が開いた同業他社に足を引っ張られなければと老婆心ながら心配してしまいます。今、現在で成功した人本経営企業が実践している方法論は、中途半端な合併でなく同業他社の事業承継をしています。つまり、トヨタが直接経営の舵取りをしていき、その企業の組織風土、企業文化を幸せ軸に改革していくことです。すでにトヨタはダイハツを子会社化し、経営者はトヨタ出身の井上雅宏氏が就任しています。2016年のことです。実は既にそのモデルの先例があるのです。おそらく第二弾、第三弾をトヨタは企図しているのではないかと考えられます。果たして共感共鳴してくる同業企業が出てくるでしょうか。マツダ、日産あたりは現実化する可能性は低くない気がいたしますが、果たしてどうか。今後を注視していきたいと存じます。

新SVC通信の配信をご希望の方は下記問い合わせフォームよりお申込みください(無料)。

このコンテンツの著作権は、株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(以下SVC)に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、SVCの許諾が必要です。SVCの許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。


サービス一覧

講座日程一覧

お問い合わせ