第1040号 迫る介護の「2025問題」

第1040号 迫る介護の「2025問題」

考えさせられる記事が目に止まりました。

迫る介護の「2025年問題」というタイトルです。

〇 2025年には団塊の世代全員が75歳以上となり、介護需要が急増する可能性が高い

〇 過去10年間は介護離職者数が横ばいであり、毎年10万人前後の人が介護のために離職している

〇 介護離職者の性別割合は女性が多いものの、男性の割合も上昇傾向にある

〇 正規職員・従業員として働いている人の中で、介護をしている人の年齢分布をみると、2022年には男女ともに50代が半数を占め、40代を含めると、40~50代が7割を占めている

 

以上、記事の抜粋ですが、団塊の世代が後期高齢者になっていくということは、未曾有の数の要介護家族が社員に発生してくることを意味しています。

全ての企業に影響をおよぼす介護問題

この事案は間違いなく、すべての企業に影響を及ぼし出すことでしょう。

育児なら、まず1年の休業や短時間勤務など目途が立ちますが、介護は育児のように先が見通せません。いったん要介護状態になると、よほどのことがない限り、加齢とともに状態は悪くなり、要介護度は悪化していきます。いつまで介護すればよいかということがわからないまま、家族である社員はこれに向き合わなければなりません。

しかも育児は20歳~30歳代の若年層の社員が対象ですが、記事にもある通り、圧倒的に40歳~50歳代の社員に発生してきます。会社を担っているベテランやリーダー層を直撃するのです。

わが国の40歳~50歳代は3000万人を超えています。4人に1人です。ここに介護問題が発生する可能性があるのです。

どう考えても他人ごとではありません。明日、わが社で起きる現実問題です。

ある日、年老いた親が、転んで骨折するなどして、突然、介護は必要になります。この点も産前の準備ができる育児とは違う悩ましさがあります。

人本経営は社員の介護問題を救う

もしも人本経営に成功し、抜群の組織風土が醸成されている職場において、ある部署の部長の母親が倒れて要介護状態になったとします。その部長が出社してきたら、どのような対応をするかその光景は目に浮かびます。

部下である社員たちは、出社してきた部長に対して即座に「部長、いったい何しに来たのですか?今、お母様が大変なのでしょう。仕事なんて部長がいなくても自分たちで十分にこなせるので、とっととお家へお戻りください」と家に追い返されるに違いありません。

そう部下たちにたしなめられて、部長は思い直し、「そうか、それでは有難くしばらく休ませてもらおう」となることでしょう。「数年前、私は育児休業で部長をはじめ皆さんに世話になりました。今度は部長の番です。」こんな会話も出てきそうです。

社員とその家族の幸せを一番に考える人本経営では、仕事の都合より家庭の事情が優先されます。「お互い様」「おかげ様」の人間尊重の企業文化ですから、そうなるのです。

介護休業の意味

ところで介護休業法で定められた法定休業期間は93日間です。こんなわずかな日数で、十分に家族の介護などできる訳はありません。介護休業は、突発的に家族に介護が必要になったときに自分が介護をするために付与されるのではなく、必要な行政窓口との折衝やケアマネジャーとの面談、場合によってはヘルパーの派遣や施設の選定や入所手続きなどを行うための休業なのです。それらの対応であれば、93日にもあれば十分でしょう。必要な社会サポートの措置を施して、なんとか親の介護の体制を整わせるための休業期間なのです。そして介護と仕事が両立できるようになったならば職場復帰をしていきましょうというのが法の立て付けです。今後、社会問題になるに違いない社員の介護対策について、当通信でも引き続き注意深く情報収集をしていきます。

このコンテンツの著作権は、株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(以下SVC)に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、SVCの許諾が必要です。SVCの許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。


サービス一覧

講座日程一覧

お問い合わせ