第992号 岸田首相、退職金増税はありえないです!

第992号 岸田首相、退職金増税はありえないです!

岸田首相、退職金増税はありえないです!

まさに、あきれてものが言えなくなるという状態になってしまいました。
それはこんなニュースが飛び込んできたからです。

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政府は終身雇用を前提とした退職金の制度を改める。
同じ会社に長く勤めるほど優遇される税制の是正をめざす。

退職金に関する制度改正は
岸田文雄首相が訴える「新しい資本主義」の一環だ。

労働市場の「三位一体」改革として
①リスキリング(学び直し)
②職務内容を明確にして成果で評価する「ジョブ型」の導入
③成長分野への労働移動の円滑化
――を掲げる。

こうした方針を打ち出すのは
日本企業では、高度成長期にできた終身雇用や年功序列を中心とする雇用慣行を
維持するケースが多いからだ。
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岸田内閣が7日に発表した「骨太の方針」の原案に、
「成長分野への労働移動の円滑化」のためという名目で、
退職所得課税制度の見直しが盛り込まれました。

退職金は、所得税の課税対象ですが、
現行制度では「退職所得控除」によって税負担が軽減されています。

「退職所得控除額」は、勤続年数によって決まり、
勤続年数が長いほど優遇されるルールとなっています。
とくに20年以上勤めると、控除額が一気に大きくなり、
受け取れる退職金も増える仕組みです。

ところが「骨太の方針」原案は、
同じ会社に長く勤める人ほど優遇される現行制度は
「成長分野への労働移動の円滑化」を妨げていると指摘し、
見直すべきだとしているのです。

馬鹿げたロジックです。岸田さんに質問します。

その会社で働き、その職業に誇りをもっているから
同じ会社に長く勤めているのではないですか?

そもそも長く勤めることが悪なのですか?

退職金があるから長く勤めることを誘発して転職を妨げるという根拠は
どこにありますか?

退職金は老後の生活資金です。
見直しされたら、勤続年数の長い勤め人は、
実質「増税」となるのは明らかです。

すでに激減している退職金

厚生労働省「就労条件総合調査」では、
5年ごとに退職金の平均額を調査しています。

そこへもってきて増税というのはどういうことなのでしょうか。

国のために勤労奉仕してきた国民に対して、
あまりに愚弄した政治であるといえないでしょうか。

バブル経済の時、7割の企業は黒字でした。
30年が経ち7割の企業は赤字になりました。

その理由がいつまでも年功序列の終身雇用をやっているからだと
本気で考えているのでしょうか?

年功序列、終身雇用に勝る幸せな経営のあり方はない

であるならば、なぜ伊那食品工業や未来工業など
人を大切にする人本経営に成功し、
今もなお立派な業績を誇り雇用を生み出し続けているこれらの会社は、
年功序列と終身雇用を実施しているのでしょうか?

人の幸せを考えたとき、
加齢とともに生活が豊かになっていく人生があることが望まれるので、
それを経営で実現していくには
年功序列で終身雇用をしていく「あり方」がベターだから
そうしているのですよ。

岸田さん、あなたが推奨しているジョブ型雇用なんて、
こうした人本経営成功企業は、全く導入していませんよ。
しっかりといい会社の現場の真実をみてください。

この点、故安倍晋三元首相は丁寧でした。
大阪の天彦産業さんにまで足を運びベンチマークされていたのですから。

「骨太の方針」は、自民党と調整し、16日に閣議決定される予定だそうです。
人を大切にする経営を邁進している経営者や社員の皆さん、
残念ながら、皆さんの生活に大きな影響を及ぼす悪政が迫っています。
内閣府に声を上げるべき時が来たようです。

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