第958号 悩める社長に捧ぐ、気づきの処方箋

第958号 悩める社長に捧ぐ、気づきの処方箋

悩める社長に捧ぐ、気づきの処方箋

その不動産業を営む経営者は、社員を幸せにすることが大切だと公言しているそうです。
そして、その会社に行くと社員たちは見た目は明るく対応してくれていると感じるそうです。

店舗拡大を目指し、採用には積極的です。
しかし、10人採用しようとして求人しても、8人しか採用できません。
そして、1年後には1人しか在籍していないそうです。
大量に離職者を発生させているのです。

採用した多くは営業につきますが、
オーダーが取れた日は終業時刻前でも、「もう仕事しなくていい」と持ち上げ、
取れないと取れるまで頑張れとハッパをかけるのが日常の職場ということです。

啞然としました。
昭和のバブル期であるまいし、令和の今、
この時期にこんな時代錯誤な経営をしている会社があるのかと愕然としたからです。

「その社長、経営者としてのキャリアはどのくらいなの?」
思わず聞き返してしまいました。
2年くらいだということです。
おそらく、この社長は、まともに経営のことを学ばずに起業したのだと思われます。

セールスセンスは抜群なのでしょう。
そして、今風なウェルビーイング経営は意識しているのでしょうから、
冒頭の言葉が出ているし、明るい雰囲気を醸し出そうとしているだの思います。

見た目だけでも明るそうな雰囲気が感じられるから、
予定募集人数には足りていなくとも、まだ8割は採用出来ているのです。
ここは重視して、いかに経営人事マネジメントのあり方を変えていき、
人が定着する組織づくりができるのか、
これがこの会社が数年後、存続しているかどうかの分かれ目になることは確実です。

そして、抵抗がある業務は、
「指示が曖昧なまま作業を進めること」が1位とのことです。

その日売れたから帰っていい、売れなかったから仕事しろ、
これほど曖昧な指示はないでしょう。

今の若い人たちにこんな労務管理したら、それは辞めるに決まっています。

売上を価値にする経営から脱却する

この社長に助言できるとしたら、売上、売上と口にしないことを箴言するでしょう。

前述のファースト・コラボレーションの武樋泰臣社長、
別にオーナーがいて2社を吸収合併した段階で経営を託されました。

1年目は勢いで乗り切りましたが、2年目やはり会社がガタつきました。
現状を垣間見るとあることがわかりました。
それは、元々別の会社だった2つある店の違いでした。

ひとつは経験者ばかりの玄人集団、もうひとつの店は素人ばかり。
玄人集団の店はギスギスして組織が疲弊していると感じられ、
素人集団の店は社員がとにかく楽しくやっています。

玄人集団の店は物件の平均単価も高く、
市場規模としては素人集団の店の6倍はあるのに、
2つの店の売上がほぼ同じという結果になっていました。

その素人集団の中心となっていたのが、
のちに顧客満足度日本一を達成する女性社員だったのです。

社風と業績に相関関係があると気づいた武樋社長は、
「元気で明るい風土」「ひとりひとりが主人公」
「チームワークが発揮される職場」が実現できることを経営理念にこめて
社員との共有化をはかっていくことにしました。

社員からのこんな会社にしたいという意見も
妥協なく吸い上げていきました。

その結果、「フラットな組織」「命令なし」「ノルマなし」「歩合なし」「営業なし」
という経営スタイルが実現されていきました。

売上そのものは結果で、それを追い求めることからの脱却をしていったのです。
見た目だけ元気な雰囲気では意味がありません。

こうして社員に向き合い、対話を重ね、
いかにしていけば、社員が心の内から働きがいをもってくれるのか真摯に考え
試行錯誤しながら、よい組織づくりをしていく行動し続けていくことです。

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