第955号 人を幸せにする王道「人本経営」のあり方

第955号 人を幸せにする王道「人本経営」のあり方

人を幸せにする王道「人本経営」のあり方

サステナブルを実現するための人的資本経営という言葉が躍るようになり、
真に永続を果たしていくことを目的とする人本経営の実現が
ますます重要性を帯びてきていると日に日に感じています。

改めて人本経営のあり方を整理してみることにいたします。

長期雇用前提
・経営の目的は、関わる人々の幸福の増大であり、
 特に社員が加齢とともに豊かな人生を送れるように
 雇用の安定をなにより大切に考えていく
・途中、何らかの理由があって退職することがあったとしても、
 再び戻って来られる風土を醸成していく
・仕事の都合よりも家庭の事情を優先していいという企業文化を打ち立て践していく。
 これにより「お互い様」「おかげ様」という利他の社風を醸成していく。
・原則、定時で業務を回し、そのうえで去年よりも今年、
 業績がよくなっていくことを実現していく(年輪経営)
 
企業の価値
・企業の価値は株価でなく、いかにファンづくりができるかに尽きると
 全員が心の底から共感、共鳴し、
 お客様に売るのではなく、お客様の幸せ増進のために何ができるかを考え、
 そのための意見具申が積極的に交わされている
・社内対話は、オフサイトミーティング型が主流となり、
 一人ひとりが自分事として会社経営に関わっているという実感を持っている
・そのことを現場でマネジメントができる支援型リーダーが育っている
・結果として、リピーターのお客様と新規のお客様が口コミで増え続けることで
 増収増益を実現していく

年功賃金と目標年収
・賃金は年功(勤続年数)で上がり、
 年収はコロナ禍のような社会変動が生じたとしても
 毎年最低2%の昇給を実現していく
・そのために平時に内部留保を確保していくことを計画化する
・年収の水準は年齢の15倍以上となることを目標にする。
 それを実現できるための業績を逆算し、事業計画に反映させる
・事業計画には利益と人材の10%を未来投資(人件費、人員配置)として織り込んでいく

人事考課
・評価は、人間力重視型の人事考課制度とし、
 査定目的よりも人材教育、とくに支援型リーダーの養成を実現できる内容とする
・業績評価、能力評価は上司による評価とするが、
 情意評価は360度多面評価とし、
 この評価で一定以上の評点を得ていることが考課者となる条件を人事制度に組み込む
・考課期ごとに匿名による全社員の人事考課に対する納得度アンケートを実施し
 70%以上の納得度をキープし続けられるように運用する
・評価結果による減給は原則としてしない
・評価による同一年功の格差は3%までの範囲とする
・評価結果、上位2割、中位6割、下位2割のうち下位2割は企業としての伸びしろと考え、
 必要な対策を講じて底上げを図る

利益配分
・期末利益配分は内部留保4割、
 社員還元4割(全体年収2%の昇給原資と残った部分は決算賞与として支給)、
 設備投資2割と定め実行する

実践ノウハウではなく、あり方として、
今考えうる人を大切にする人本経営が形になっている状態を掲げてみました。

これらが果たされていれば、確実に永続していきます。
実際に日本に存在しています。

よって、経営者にとってこのことは「能わざるに非ず、為さざるなり」し問題なのです。

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