第931号 本当に強い人が最終的に手にするのは「勝利」ではなく「幸せ」

第931号 本当に強い人が最終的に手にするのは「勝利」ではなく「幸せ」

本当に強い人が最終的に手にするのは「勝利」ではなく「幸せ」

人的資本経営のコンサルタントが、経営戦略と人事戦略を一致させて中長期の計画を策定し、
持続的な企業価値の向上を図ることの必要性をよく口にしています。

人本経営の指導に傾注して以来、「戦略」という言葉は彼方においてきた感があって、
こうして安易この言葉を使用していることに、とても違和感をおぼえます。

世界情勢が緊迫しています。
長く独裁をつづけた暴君によって、平和が乱され、
世界中が不安な空気にいっぺんに包まれてしまうようになりました。

「いくさ」という世界観は、「しあわせ」という安寧の世界の真反対に位置するものだと
改めて、日々のニュースをみていて強くこみ上げてきます。

言葉は大事だと感じるのです。
ビジネスで用いる「戦略」は、もちろん武力でなく知力で効率効果的に
目的、目標を達成していく策として用いられています。

それでも、例えば人事部長などの企画担当者がこのワードを普段使っていれば、
勝ち負けを意識するのが当然ではないかと感じるのです。

いちばんは競合他社に勝つということでしょうか。
あるいは業界NO1になるということでしょうか。

人本経営では、そこは目指す世界ではありません。
業界全体がよくなっていけば、社会にとってよりよいことととらえていきます。
同業他社も、自社の存在があることで、励みになり、よく変わり、
多くの幸せをつくり出していくのであれば、
経営のあり方を模倣されることを厭いません。

尊敬する師、坂本光司教授の言葉を紹介します。

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「競争に勝たねばならない」
多くの日本人が言いようのない焦燥感と不安を胸に抱え込んでいる。
それだけに「強く生きたい」という願いには切実な思いが込められている。
強く生きるためには、もちろん「力」が必要。
しかし、それは他社を打ち負かす「力」ではない。
世のため人のために役立つ「力」にほかならない。
本当に強い人は「勝ち負け」とは関係のない生き方をしている。
できるだけ多くの人を幸せにするにはどうしたらいいかを考え、実践し続けている。
本当に強い人が最終的に手にするのは「勝利」ではなく「幸せ」なのである
—–

師に出会い、筆者は、人を大切にする人本経営を社労士という実務の世界で、
どうすればすべてのステークホルダーと福徳円満な組織づくりができるか、
そのノウハウを一つ一つ試行錯誤して積み上げてきました。

12年前から人本経営の実践をサポートさせていただいた会社は、
この間、見事に業績軸から幸せ軸へ変貌を遂げ、
今では他社からベンチマークされる存在になりました。

その会社の経営者が、過去と今の会社を比較し図解されています(本文下部)。

期せずして、過去は「戦略主義」であり、勝ち負けに生きていたが、
今はみんなが幸せになる会社になったと総括されています。
まさしく坂本教授がおっしゃる本当に強い人になったのだと思います。

こんな素敵な会社を増やすため、
これからもぶれずに人本経営の伝道に邁進して参ります。

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