第827号 同志、人本経営者よ、今こそ出番、覚悟はできているか

第827号 同志、人本経営者よ、今こそ出番、覚悟はできているか

同志、人本経営者よ、今こそ出番、覚悟はできているか


毎週、毎週、20年近くこの通信を書き続けてきました。いろいろなことが起き、その都度、いろいろなことを考えて発信してきました。今また、社会はコロナウイルス渦中で大変な状況になってきました。この先どうなっていくのだろうと誰もが不安になるところです。継続こそ力ということは、こういうときにこそ発揮されます。不安で仕方がなかったあの時に、この通信はタイムトラベルすることが出来ます。9年前の2011年4月3日の通信に戻ってみることにいたしましょう。

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日経ビジネス「東日本大震災 復興への道」によれば『最悪のケースがすでに起こり始めている。これまでと同じように営業を続けることが厳しくなっている。そして、すでに多くの経営者の脳裏に、休業や倒産、リストラ、内定取り消しという言葉が浮かんでいるに違いない。今回は議論しなかったが、百貨店やシティホテル、アパレル、レジャー、出版といった業界も、同じ状況に陥っている。』としています。

今後、しばらくは多くの企業で辛抱が必要です。どのくらい耐えればよいのでしょうか。

同記事では『阪神・淡路大震災直後、関西地域の旅館は予約がほとんど消えてしまった。今と同じ状況だったわけだ。それが2カ月間続き、そこから少しずつ予約が入り始めたという。客がほぼ戻ったのは、約半年が過ぎた頃だった。飲食店は地震直後に客足が大きく遠のいたが、2カ月程度で回復したという。業種によって多少は異なるが、自粛による消費の落ち込みが数カ月は続く。そして、元の水準まで回復するのに、約半年を要する。』と考察しています。しかし、阪神大震災の時と違い原発事故、計画停電の影響を考慮するとさらに回復までにさらに時間がかかることが考えられるとしています。ということは、1年は影響を考慮しなければならなそうです。

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この通信は、東日本大震災の直後で社会が混乱し、自粛ムードが蔓延して経済危機に瀕しているという状況で書かれたものです。もうまったく、現在と同じですね。デジャブのようです。

記事では、ばったり途絶えた顧客は2ヶ月で戻り始め、阪神大震災の時には半年で復活、東日本大震災では約半年、最悪1年で回復すると予測しています。今回も、その影響は1年続くと言われ始めています。

現実にはどうなったでしょう。その後の通信の記事を追いかけていくと、5月中旬には新規の講演活動が入り始め、6月頃には、視察先の企業が変わり始め、前に進み出しているというレポートをしています。さらに7月には、以前にも増して精力的に活動していて、完全にペースが戻っているということが確認できます。過去の経験則からいえることは、「人間が悲観にくれているのはかなり瞬間的で、すぐにあるべき方向を見定めて行動していく生き物である」ということです。

■人本経営者は悲観している暇はない。今こそ万燈照国、世界に灯りを燈せ

今回も、きっと同じ軌跡をたどっていくことでしょう。否、たどらなければなりません。今回は世界規模です。この先、とてつもなく明るい方向へ、世界レベルで社会が大変革を遂げていく最大最高の機会が到来しているのです。相手がウイルスという、根絶することができず、いとも簡単に人工的に拵えた国境を越えて、また再び猛威を振るうリスクが高いものでありますから、もう二度とこんな災厄は御免被りたいと、世界が一つになる可能性が極めて高いのです。自分さえ、自分の国さえよければいいという自己中心的な考え方の先に本質的な解決策がないことは、子どもでも(いや、この場合は「大人でも」というべきでしょう)わかることです。文字通り、すべての人類にとってウイルスの脅威から解放される幸福な状態をつくり続けていくためには、個々が連携して利他的な協力をしていく行動なくしては実現不可能なのです。

そして、そうした行動を牽引していくのに、これ以上ない理念を人類は生み出していました。そう、「だれ一人残さない」持続可能な社会をつくるための世界共通の開発目標、SDGsです。企業社会では、利他を最大化できる「人を大切にする経営」を実現している企業群が、自身の事業を通じて暗い世の中に灯りを燈し、来るべき持続可能社会の実現に向け、復活再興の中心的役割を担う資格と実力を備えています。

SDGsがゴールと掲げた2030に向け、人本経営を志している皆様は、今こそ、その持てる力を余すところなく発揮して、ますます世のため人のために働いていただかなければなりません。

同志よ、覚悟は出来ていますか?

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