第801号 北海道ベンチマーク回想記~愛情と関心、これに尽きる

第801号 北海道ベンチマーク回想記~愛情と関心、これに尽きる

北海道ベンチマーク回想記~愛情と関心、これに尽きる

今月の前半は、ベンチマーク視察を数多く実施させていただきました。SVC主催のイベント「壺中100年の会」では、北海道のいい会社を訪ねました。多くの方が訪ねたいと熱望されていた植松電機さんにも参りました。「思うは招く」「どーせ無理と言わない」など前向きにモチベーションを高めてくれる名言の数々を残されている植松努さん。現地で生のお姿と言葉に触れて、改めてその真摯さに心打たれました。やはり人本に通じる考え方が随所にあふれていました。いくつかシェアさせていただきます。

■植松流支援型リーダーシップの心得

支配型から支援型へ、リーダーシップのあり方が現代の会社の職場では課題となっていますが、端的にその心がけについて語られていました。植松さんのお話の最高な点は、そのわかりやすさですが、今回も参加者には大好評でした。

ほかにも、「他人に頼まれることは、試されごと」「自分の人生の時間を大切にしよう」「お互いさま。仲良く優しく社会に役立つ」「何のためか、その調整役が自分の役割」など、人本経営で共通するあり方について、ここ植松電機さんでもやはり大切にされているということがたくさん確認できて、うれしく、やはりそうだよなという安心感が与えられる視察になりました。

■日本理化学工業 美唄工場を表敬訪問

植松電機さんの所在地は赤平です。ちょうど札幌と旭川の中間位に位置しています。その途中に美唄という美しい名前の地域があります。ここに川崎に本社のある日本理化学工業さんの工場があるのです。今年、偉人であった創業者の大山泰弘さんが惜しまれつつ永眠されました。かねてから美唄工場へお伺いしたいと思っていましたので、追悼の意味も込めて今回のツアーでは是非にとお願いをして現地視察が実現しました。

小さな工場でしたが、例によって重度の知的障がいのある皆さんが、はち切れそうな笑顔で明るく働いている姿が印象的でした。

ご講話いただいたのは、社歴40年になる常務取締役で工場長の西川一仁さんでした。入社前は障がい者(当事者)と話したこともなかったそうです。さらに入社後5~6年は営業で、当事者とは縁遠かったのだそうです。当時は内心、この会社に入って失敗したとさえ思った時があったそうです。毎日同じことを繰り返し、何が楽しいのだろうと思っていたそうですが、懸命に働く彼らの姿をみているうち絆されてきたと語られていました。余談ですが、今回初めて気づいたのですが、「ほだす」は漢字で「絆す」と書くのです。頑張っているなと思いが高まっていくと絆が出来るという意なのですね。学びとなりました。

そして、この人たちのつくっているチョークを売ろうと心に決めてからご自身が変わり始めたということです。モノを売りに行くと拒まれたけれど、働く姿を紹介していきたいと純真に伝えていくと成果が出てきたのだそうです。一緒に働く当事者のことをどこでも誇れるようになっていたといい、いつのまにか利他になり、利己がどこかへいってしまった感覚だったと振り返ります。なぜ彼らは集中出来ているのか…それは幸せを感じ取っているからだと悟ったそうです。

■リアル「どーせ無理と言わない だったらこーしてみたら」の実践が日本理化学工業の姿だった

同社では伝統的に最低賃金からスタートし、障がい者の最賃除外申請はひとりもいないそうですが、不況で苦しい時に西川さんは故大山会長に賃金カットを申し入れたことがありました。しかし、大山さんは、「それは絶対にならない。利益出してくれ。」と頑なに拒絶し、一人前の賃金を出せないのは、彼らではなく会社の責任だと語り、彼らに押し付けると経営は必ずおかしくなる、と信念を曲げなかったそうです。そして、あの手この手を提案してきて、絶対にノーと言わない人だったそうです。

そうなると西川さんも、やるしかないと行動せざるを得なくなっていきました。こうして、あきらめず探求し続ける企業文化が花開き、障がい者が1割しか出来ないなら9割をこちらが埋める工夫をして、時間はかかるけれどもついには出来るようになっていき、現在の優良企業、日本理化学工業へと成長していったのです。

まさしく植松さんのいう「どーせ無理と言わない」という現実の姿が、こんなすぐそばで実現されていたという驚きの視察となりました。

最後に参加者の胸を打った西川さんの語りを紹介して、今回の視察回想を終わりにいたします。

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