第787号 何のために社員の幸福度を高めていくのか

第787号 何のために社員の幸福度を高めていくのか

何のために社員の幸福度を高めていくのか

■人本経営実践成功企業経営者の基調講演に2000人が詰めかけた

人本経営者に基調講演のオファーがきたことに、大きな時代の流れを感じるところですが、当日会場入りして驚きました。講演は前日までに満員札止めとなっており、1000人収容のホールの入り口には長蛇の列ができていました。主催者側は急遽モニターによる中継会場として500人と300人が収容できる会場を用意しましたが、これも満室になりました。さらに予約無しで当日来られた方も多く、200人位は立見席で入場していました。最終的に詰めかけた聴衆は、なんと2000名を超えた模様です。

幸福度を高めていく経営のあり方に、社会的な関心が一気に集まっているということを肌身で感じる一日となりました。

樋口社長には、社員が幸福であって、初めて顧客に尽くそうという気持ちになり、それが真の顧客幸福につながるという信念があり、めげそうになりながらも社員第一主義経営を貫いてきました。そして『日本でいちばん大切にしたい会社』と出会い、著者である坂本光司教授からこう言われました。

「あなたが正しい。その道を進むべきだ。」

やがて本でも紹介され、天彦産業の人本経営が世の中に知られていくようになったのです。

大観衆を前に、樋口社長は持論であり、長年実践した「社員第一主義により社員を幸せにしていくことこそが企業永続の道」と人本経営の正しさを平常心で訴えられておりました。

社会のど真ん中で人本経営に光が燦燦とあたる時代になったことに感無量の思いで一杯になりました。

■パナソニックも劇的に幸福度経営に?!

基調講演でコラボしていたのはパナソニック・コネクテッドソリューション常務の榊原洋氏。この2年間、同社の風土を劇的に変えてきたとこれまでの取り組みを語られていました。榊原常務曰く「社員がハッピーになっていない会社には価値がない」といい、伝統的なパナソニックの強みをキープしながら、上位下達ではない部下主体、お客様からスタートする逆三角形のマネジメントを、意識より先に行動を変えるように実践していると報告されていました。役員個室廃止・会議の激減・週報の廃止・フォーマリティの排除など実践例も紹介し、結論は戦略よりも文化に至ったということでした。さすがにTシャツで講演というのはやりすぎでは?と感じましたが、やる気はみなぎっていました。実際、同社の社員の働きがい、やりがい、生きがいがどれほど高められているのかは、講演を聴く限りでは確認できませんでしたが、経営のあり方を転換させているということは伝わってきました。

■抗いがたい時代の変化

もうこの潮流は抗えない、大本流になってきたと疑いの余地がなくなってきました。
実際、幸福学、ウェルビーイング、ティール組織など・・・これからの企業経営にとって社員の幸福度に着目することが重要性だと、いろいろな角度から取りざたされることが多くなったと本当に感じるようになってきました。

しかし、ここで絶対的に留意してほしいことがあります。それは「何のために社員の幸福度を高める経営をするのか」という根源的な問いです。どうも「そうすることが好業績につながるから」という短絡的な認識が広まっている気がしてならないのです。それではまだ業績軸から抜け出せていない、ということに気づかないと本当の幸福度は得られません。人本主義を徹底しながらしっかり利益を出し、持続可能性の高い企業体をつくりあげていくのです。その結果、企業が永続することで社員とその家族の幸せが末広がりで続いていくことになります。これこそが目的で、それが人本経営の神髄なのです。

会社、職場の企業風土・文化を幸福度増大を最優先に変革していきたい皆様に必ずお役に立つ内容です。
現在、これ以上の講師陣編成はありえないと思われる「人を大切にする経営」に寄与する独自のノウハウをもつ素晴らしいメンバーにご協力をいただけることになりました。
前へ前へと、これからの時代に進もうとする方のご参加をお待ちしております。

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