第772号 発表!第8回四国でいちばん大切にしたい会社大賞

第772号 発表!第8回四国でいちばん大切にしたい会社大賞

発表!第8回四国でいちばん大切にしたい会社大賞

毎年、この時期の風物詩となっていますが、今年も四国でいちばん大切にしたい会社大賞が発表になりました。数えて第8回となった今年の表彰ですが、四国経済産業局局長賞としてパル技研、中小企業基盤整備機構四国本部長賞として、ヴァンサンカンと義農味噌が受賞の栄誉となりました。

■動機が善 株式会社パル技研 香川県高松市

現社長の薮内廣之氏はバブル崩壊後のあの時代、売上げが半減した会社の技術部長でした。職場はリストラの嵐が吹き荒れていたそうです。自分の部下が辞めさせられていくのを目の当たりにし、これはつらくてたまらないと、自ら退職を決意しました。

独立するつもりはなかったそうですが、リストラされたメンバーがろくな仕事についていないことを知り、「自分たちのもっているマイコン技術があれば、地域の会社の電子事業部的な存在として役に立てる事業が出来るかもしれない」とリストラメンバー救済を目的に創業したのです。

動機が完璧に「善」な会社なのです。事業は順調に立ち上がっていきましたが、リーマンショックという経済危機に見舞われます。リストラは決してしないと決断して起業しましたが、売上げはどんどん下がり続けていきました。これでは会社が傾くばかりだと脱受託開発を決意しました。自社製品での売り上げ比率を50%にすることを目指しての研究開発、そして商品化を進め、現在では40%まで達してきました。世の中にない商品づくりを志向し、マイクロ波の画像処理がコア技術の会社になっていきました。

「あなたから買いたい、あなたに仕事してもらいたい」――これが働きがい、生きがいと考え、だから人間力がとても大事で、そのうえに技術力を磨いていく人づくり教育に注力をして、本物の「感動」や「社会に必要とされる製品」を生んでいく努力をひたむきに実践しています。

第1回の受賞企業である西精工に全社員でベンチマーク視察を行い、同社が実践している「社員一人別ミッションステートメントづくり」も実現させています。ベンチマークしても、感動したということで終わらせず、徹底的に自社に取り入れているのです。これは出来そうで出来ないことです。利益の3分の1が社員配分されるという仕組みが明確で、納得度の高い企業風土を形成していました。

■コマーシャルなしでも発展 株式会社ヴァンサンカン 愛媛県松山市

創業当初から業績軸ではなく幸せ軸での経営を実現。化粧品の販売が商売の起点ですが、売るという姿勢ではなく、買っていただいてから綺麗になれるような仕事をしていく姿勢がお客様からの圧倒的な支持を得て、コマーシャルを一切せずに発展してきたということです。

パリに出向き、「私が通いたいサロン」というコンセプトでエステの店を平成元年にオープンさせました。「世の中に必要かどうかで仕事をやってきた」と石原美良子社長。その人としての徳の高さはすごいものがありました。人に喜んでもらう「ありがとう」がいちばんテンションが上がること、正直でいること、間違いはあやまること、その思いを自らが体現しスタッフに伝えて続けてきました。「自分は役割が社長なだけ」と石原社長は語ります。

客層は富裕層に特化している訳ではなく、普通の方(たとえば掃除のおばちゃん)まで気楽に通えるリーズナブルな料金設定と敷居の低さがお店の魅力を引き出しています。多店舗化はせず、年輪経営で急成長を戒めています。一人のお客さんを失うより、一人の社員を失うのがよくないという社員第一主義の思いを経営者は実践しているのです。さらに、週に1度、営業時間内に店を閉め、社内での情報共有を進めており、何でも言える組織風土がつくられていることにも余念がありませんでした。

■ワンマンから人本へ 義農味噌株式会社 愛媛県伊予郡

社名は、享保の大飢饉の際、翌年の収穫のために唯一の食糧の麦種を食べず、自らの命をもって地域に貢献した義農作兵衛翁に由来します。ギノーみそはその魂、義農精神を今に受け継いでいます。創業の精神は素晴らしいですが、味噌業界は斜陽化が進んでいます。そうした中で田中正志社長は後継者となりましたが、当初はワンマン経営で人心が離れ、見る間に窮地に陥っていったそうです。

これではもたないと気づき、自分自身が変わらなければならないと、いろいろと学びだしては会社に導入していきました。「トイレ掃除がいい」と聞き、社員に働きかけましたが、社員たちからは冷たい反応が。やむなく社長は、たった一人でトイレ掃除を始めました。来る日も来る日も続けて、気づくと1年が経っていました。2年目、見るに見かねた奥方が手伝いだしてくれたそうです。そして、3年目、ついに社員たちが「社長、自分たちもやります」と腰を上げてくれました。

そして、さらに3年が経ち、現在ではストレスのない経営者としての自分の姿があるといいます。社員に対して腹が立たなくなり、ガミガミと責めることもなくなりました。さらに、社員との関係の質が良好になっていくのと同時に、商売が好転してきている手応えを感じていきました。

 ◎東京講座・・・2019年4月24日(水)開講
 ◎大阪講座・・・2019年4月27日(土)開講

昨年は島根県でも人本経営実践講座が開講。これまで東京・大阪・四国・島根で合計12期の開催実績があります。参加企業は延べ96社、参加者は140名となりました。講座は10か月の長丁場ですが、2018年度生も期の中盤からみるみる良い状態になってきているのがわかりました。
人本経営を極めて「いい会社」をつくりたい――その願い、想いは必ず叶えられます。
これまでの揺るぎない実績をもとに、自信をもって2019年度生(東京6期/大阪5期)をお迎えいたします。

 ~これからの時代、中小企業が生産性を上げるためには、
  “健康経営”が大きなカギとなることをご存じですか?~

小林も参加する「元気な会社を作るプロジェクト」が主催するセミナーです。
“健康経営”を提唱した平野治氏を招き、中小企業が生産性の向上を目指す“健康経営”とは何かを語ってもらい、“健康経営”に対する理解を深め、その実践を促します。後半のリレー講演では、小林もお話をさせていただきます。
 
昨年の11月には横浜市で『健康経営認証』制度がスタートし、関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか?健康経営を知る絶好の機会です。みなさまのご来場をお待ちしております。

 日 時:2019年2月25日(月)13:30~16:30
 場 所:新横浜ホール AB会議室
 参加費:3,000円(税込)

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