第770号 人本経営者は煩悩に打ち克つ努力を続けている

第770号 人本経営者は煩悩に打ち克つ努力を続けている

人本経営者は煩悩に打ち克つ努力を続けている

前号で煩悩について取り上げました。煩悩は克服できるものではないとのご指摘がありました。

はい、まったく取り去ることは不可能だとは認識しております。前号でも指摘したとおり、人として生きる上で欠くことのできない本能が欲するところに起因するものですから、ずっと煩悩は存在し続けます。伝えたかったことは、本能の中にある煩悩に支配されて生かされるような状態にならないための考え方です。そして、行動方法について、経験して、これは実践的な効果があると感じた試みをご紹介させていただきました。

しかし、それにしても思うのです。世の中は、煩悩を引き出す誘惑のなんと多いことか。

家から駅までの道のりに、美味しいものを提供している飲食店は数多あります。ネットでも雑誌でもグルメ情報には事欠きません。そして、コンビニは24時間営業していますから、四六時中食欲を満たす誘惑はついて回ります。

食欲だけではありません。あらゆる欲を満たしてくれるサービスや商品が世の中にこれでもかと次から次へと供給されています。それを求めなくとも、テレビを見ればバラエティ番組から、ネットを覗けばポップアップ広告が、街を歩けばいたるところに煩悩が刺激される情報があふれ、それらが不意に目に飛び込んできます。そして、食欲という煩悩に負けて太り過ぎたら、「結果にコミット」とダイエットビジネスが追いかけてきます。

そう、煩悩を刺激することは商売やビジネスの格好のネタになるということなのです。

これは誠に厄介です。おびただしい情報があふれている中で生きる現代人は、本当に大変だと感じてしまいます。日常生活で煩悩に打ち克とうと意識して生きることは、それがすでに修行のようなものかもしれません。

■何のためにマインドセットをするのか

改めてこう考えてみると、人本経営に成功している会社が、なぜマインドセットの機会を大事にし、人間力を重視する教育に熱心になるのかが理解できます。

毎日朝礼で、自分たちが大切にしようとする理念やクレドを確認し、今日も自分たちらしくあろうと誓い合う光景を、「いい会社」の多くで目にしてきました。これは日常生活から、会社にきて仕事をする前に、煩悩を振り落とすマインドセットをして、身勝手で自己中心的ではなく、利他的に世のため人のために仕事に向き合うための心をつくる時間であるのだということがわかります。

そして、「いい会社」を実現した人本経営者の方から、それはまるで仏様かというような深い徳にあふれたオーラを感じることが少なくありません。日々、自身の心を磨き上げ、また社員一人ひとりに向き合って、人としての正しい生き方、あるべき姿として人間力の重要性を説くことを続けているうち、実際にお釈迦様に近いような存在に高められていったのだろうと感じさせられるのです。

■経営者が変わらなければ何も変わらない

ここで一定の結論に至るのです。

人本経営のセオリーは、トップは支配型ではなく支援型リーダーシップを実践できることです。そして、まず自らが「やってみせ」と規範になることが求められます。従って、トップ自らが、煩悩に打ち克つ努力を自らに課し、日々実践し、結果を出していることが人本経営者の資格になるということです。

自分自身が怠惰で生活が乱れているような場合、また、自己中心的な振る舞いが強く人の言うことを聞かない態度をしている場合、その会社では人本経営の実践は1ミリも進まないということです。

やはり、経営者の存在がとてつもなく大きいのです。しかし、それはこれまでのようなカリスマ的な強権の大きさではありません。人としての魅力を感じさせる、人格から滲み出る徳の大きさにほかなりません。それを周辺の人間が感じとり、心から信用し、迷いなく信頼を寄せてくる、ということは、すぐに出来ることではないと理解できるでしょう。だから、人本経営の実現には時間がかかるのです。しかし、迷ってもぶれずに目指して日々継続していけば、日に日に会社がよくなっていく実感をもてることも確かです。

要は経営者である貴方の生き方次第です。さあ、マインドセットしていきましょう。

 ◎東京講座・・・2019年4月24日(水)開講
 ◎大阪講座・・・2019年4月27日(土)開講

昨年は島根県でも人本経営実践講座が開講。これまで東京・大阪・四国・島根で合計12期の開催実績があります。参加企業は延べ96社、参加者は140名となりました。講座は10か月の長丁場ですが、2018年度生も期の中盤からみるみる良い状態になってきているのがわかりました。
人本経営を極めて「いい会社」をつくりたい――その願い、想いは必ず叶えられます。
これまでの揺るぎない実績をもとに、自信をもって2019年度生(東京6期/大阪5期)をお迎えいたします。

 ~これからの時代、中小企業が生産性を上げるためには、
  “健康経営”が大きなカギとなることをご存じですか?~

小林も参加する「元気な会社を作るプロジェクト」が主催するセミナーです。
“健康経営”を提唱した平野治氏を招き、中小企業が生産性の向上を目指す“健康経営”とは何かを語ってもらい、“健康経営”に対する理解を深め、その実践を促します。後半のリレー講演では、小林もお話をさせていただきます。
 
昨年の11月には横浜市で『健康経営認証』制度がスタートし、関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか?健康経営を知る絶好の機会です。みなさまのご来場をお待ちしております。

 日 時:2019年2月25日(月)13:30~16:30
 場 所:新横浜ホール AB会議室
 参加費:3,000円(税込)

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