第750号 成果主義の真実

第750号 成果主義の真実

成果主義の真実

成果主義というとどのようなことを連想するでしょうか。

ノルマ、実力本位、競争原理、絶対評価、結果重視・・・といったところでしょうか。

バブル経済が崩壊し自信を無くした日本企業が、それまでの基調だった日本的経営の特長である年功序列を軸にした人事制度を否定し始めたのが90年代でした。変化を求めた日本企業は、欧米で主流だった成果主義の人事制度に答えを求め、また外資系人事コンサルティングの巧みなセールストークにも乗せられ、90年代に一気に広まりました。

しかし、その結果、わが国に成果主義が定着することはありませんでした。それまでの労使協調だった組織風土は、個人主義へと変調していきました。しかし、なじめない社員が続出したのです。やがて不平不満が高じてうなぎ登りに個別労働紛争が職場で発生していき、企業の活力が失われてしまいました。和の精神の遺伝子を持つ大和民族には、欧米型の成果主義は合わなかったのです。

その後、2000年頃から「これはおかしい」と気づき、人を大切にする経営こそが真の答えだと覚醒した人本経営者が現れ始め、徐々にあらゆる業界で頭角を現し、現在に至っているということは、これまでに当通信が語り継いできたとおりです。

■成果主義は悪者なのか

こうしてみると、成果主義は「百害あって一利なし」の悪玉コレステロールの代表なような存在になってしまいますが、本来の成果主義は、実は今日日連想されているそれとは違ったものだったのではないかと感じています。

まず、『成果』という言葉。まさしく果実ということです。

美味しい立派な果実を得るためには、それを育てるという前段の努力が不可欠であるということは小学生でも連想できることです。

果実を得るためには、たくさんの実がなるようにしっかりとした木本体がなくてはなりません。その木に養分を蓄えるためには、光合成を行う葉が生い茂っていることが必要になります。そして、目に見える木を支えている土の中の根が十分に発育していなければ、そもそも十分な成長はしていきません。それを叶えるためには豊かな土壌が、これまた不可欠ということになります。さらには水がなければ芽吹くことすらないのです。

これを経営に置き換えてみるとこんな感じでしょうか。

ウィキペディアで調べると、成果主義とは「企業において、業務の成果、それに至るまでの過程によって評価し、報酬や人事を決定すること。類似概念として結果のみで評価の判断を行う結果主義が挙げられる。」と解説されています。

本来の成果主義は、結果だけでなく、過程つまりプロセスの評価がきちんと含まれる概念と説明されています。つまり、日本で導入されていったのは結果主義だったという訳です。結果とはすなわち目先の売上といってよいでしょう。そこにとらわれて経営人事をマネジメントしてしまえば、それは会社がおかしくなることは自明といえるでしょう。

本来の意味である成果主義は、人本経営でこそ機能する概念と思うのですが、いかがでしょう。

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