第722号 幸せ軸に生まれ変わったスタートアップ企業

第722号 幸せ軸に生まれ変わったスタートアップ企業

幸せ軸に生まれ変わったスタートアップ企業

そこはいわゆるスタートアップ企業といわれる社内SNSの運営管理サービスを提供している会社でした。急成長してきましたが、離職率が年間50%という状態にあり、そのような状態では出資もままならないと支援者に指摘され、経営者は考えを改めました。幸せ軸に経営理念を刷新し、「社員、顧客、パートナー、私たちに関わるすべての人の人生を、愛し愛され夢と希望にあふれたハッピーな人生にする。」と明確に打ち出していきました。

ハッピーとは、何か欲しい物を手にいれたときに瞬間的に感じる感情ではなく、良好な人間関係の中で継続的に感じることのできる感情ととらえて、周囲の大切な人たちと最高の人間関係を築くことこそが、人生を幸福にしていく中で最も重要な要素だ、という結論に達したとして、この経営者は「LIFE」を社是に掲げています。

かねてより人本経営は「関係の質を高め続けていくこと」と指摘していましたが、そのものズバリの言葉を社長は何度も口にしていました。さらに、最高の人間関係を築く為に欠かせないものは「愛」だと指摘し、愛とは相手の幸せに貢献しようとすることで、まずは自分が相手の幸せに貢献しようとすることが必要だと指摘しています。

■やはり朝礼が鍵となっていた

こうした社長の思いを社員一人ひとりに感じて行動してもらうために、やはり朝礼が有効活用されており、視察時に参加させていただきました。朝礼は毎日行われているとのことでしたが、その日は週はじめということで、社員同士が特に深く関わりあう、ということをしているようでした。時間にして1時間が費やされ、テンポよく司会の方が進めていました。自社製品を使っての各セクションの情報共有から始まり、インターン学生の自己紹介、そして「LIFE」と呼ばれるジブンガタリの時間がやってきました。

一応制限時間は4分で、自分の人生の中で起きたエピソードを語るのです。このときは複数の社員の方が、ほとんどうつ状態で引きこもっていた過去の実体験や、前職でのあまり芳しくなかった出来事を赤裸々に語られていました。職場の同僚に対して、相当の信頼感があるからこそ、自分の弱さや失敗談を語れるのだろうと強く感じられました。おそらく、その方の過去の人生を共有することで、「今度こんなことをしてあげようかな」と、他の社員の愛の発揮に繋がっていく効果があるのではないでしょうか。

これまでの会議では、「話し合う」ことが目的でしたが、関係の質を高めていく人本経営では「聴き合う」ことを目的とするミーティングの場の創出がとても重要になります。その意味で同社の取り組みはとても参考になりました。

■聴き合うことで何でも言える組織風土が育つ

聴き合える文化が花開いていくと、安心してものが言えて、本音の対話で「つながり」が生み出され、組織が本当に大事なことを本質まで考えて行動できるようになっていくのです。

朝礼の間、他の社員は本当に話している相手を尊重している様子がありありとうかがえ、特に拍手の大きさ、長さがそれに現れていました。しかし、「最初は居眠りしたりする社員もいた」と社長は回想されていました。「必ずスピーチをしている人を見よう」と訴え、そのために朝礼時には社員たちがきれいな円に並べるようこだわったといいます。

「毎日簡単に出来る相手の幸せに貢献するということは、常に相手の前で、明るく元気に素直に笑顔で優しく存在することです。そのためには、日々起こる様々な出来事を肯定的に解釈していく事が必要です。」こう社長はホームページで自分の思いを締めくくっています。

この会社が劇的に変わり始めたのは、実は去年の3月なのだそうです。ふと、今、この会社と同じように幸せ軸へ生まれ変わった企業が激増しているのではないだろうか、という予感が胸をよぎりました。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

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