第718号 いい会社が実践しているよりよい社内対話とは
2018.1.15
いい会社が実践しているよりよい社内対話とは
人本経営の成否がわかれるといっていいくらいの重要事項が、社内対話の質と量です。
朝礼にこだわる、社内研修を行う、定期的に合宿をして話し合う場をつくる、社長が自ら社員とひざ詰めの対話をする社長塾を開催する、そのやり方は各社それぞれですが、社内対話によって促進していきたいことは、社員の自発性、自律性を高めていくことに尽きます。
マザーリングマネジメントを提唱するホテルグリーンコアの金子佑子代表は、「『信頼されている』『受け入れられている』『関心をもたれている』という状態をつくることが必須で、それを社員が感じて、自発性のスイッチを本人たちが入れる」と語られています。
また、社長が社員のパートナーになりえているかを常に問うというファースト・コラボレーションの武樋泰臣社長は、「連帯と信頼だけでは社員は伸び伸びしない。社員が伸び伸びするためには安心感が必要で、安心感とは、何でも言える、認められている自己開示ができる状態にあること」と語られています。
人本経営に成功している会社では、その状態を朝礼などの社内対話の機会を通じて日々、組織風土としてつくり続けていく努力を重ねているのです。
これまでの会議やミーティングとは違う発想で一人ひとりが主人公となれる場づくりをしていくことは職場での人間関係の質をぐっとよくしていく効果があります。
それを実践していく「オフサイトミーティング」という考え方があります。組織が本当に大事なことを本質まで考えて行動できるようにするため、意図して設ける話し合いの場のことで、安心してものが言えて聴ける話し合いの仕方を体得し、本音の対話で「つながり」を生み出す場づくりをしていきます。気楽に真面目な話し合い、というよりは聴き合う体験をしていくのです。
理念やビジョンの共有、日常の課題解決などの場面でも効果が発揮できますが、まずは、交流型といわれるオフサイトミーティングを体験するといいでしょう。
1グループ3~4人程度で、部署に関係なく編成します。一人ひとり現状を出し合い、メンバー同士が話し合える関係になることを目的として開催します。
人生に影響を与えたこと、仕事の中で思うこと・感じること、言葉にならない「もやもや」など1人20分程度で話し合っていきます。
その際に以下のルールを決めておきます。
・相手に関心をもって話をじっくり聴く
・肩書・立場をはずす
・自分の言葉で語る
・正論で相手をやっつけない
・自分の弱みを出すくらい「素」の自分を出し合う
・結論を出すことを急がない
・ここだけの話は、本当にここだけ
与えられた20分間は、スピーカーの時間です。聴く方は意識して話した相手に共感することです。同意までする必要はないですが、感情を共にするように接していきます。一定時間、相手が聴くことに集中してくれる時間を体感するといろいろと気づけることがあります。実際に実施した会社では次のような感想が挙がっています。
「「情に共感する」ことの大切さを感じました。答えはなく、相手の気持ちになって考えて聴くことで、経緯や見方がより変わりました。」
「他の方の話を聴いて感じたことは、見た目のイメージや話し方などで決めつけていた自分に驚きました」
「普段ゆっくりと話すことのできない人たちの話を聞けて、とても親近感が持てるようになりました。」
「相手がより話しやすくなるような聴き方、あいづちの打ち方など、意識して互いに気持ちよくすっきりとした気持ちで話せる雰囲気づくりを心がけようと思いました。」
「自分のことだけでなく、相手の話をよく聴くように心がけたいと思いました。そうすれば自ずと答えへのきっかけがつかめるのではないかと感じます。」
あきらかに関係の質が改善されていることが確認できました。オフサイトミーティングという言葉をつかっていなかったとしても、多くのいい会社では、朝礼などの対話場面で、オフサイトミーティングで得られるような体感を社員に経験させていると考えられます。話し合うことよりも聴き合うことを重視した対話を重ねているのです。
【SVCからのお知らせ】――――――――――――――――――
人本経営に確実に成功するノウハウがここにある
『人本経営実践講座2018』4月開講 東京・大阪
http://www.keieijinji.com/event/?id=1513229063-286940
人本経営実践講座は、2014年に開講以来、45社55名の経営者・経営幹部に受講していただきました。修了時のアンケートでは、すべて「満足した」とのご回答をいただき、現在では「人を大切にする会社づくりのトータルサービス」を展開する弊社の基幹事業として成長して参りました。
当講座に参加して「満足した」とのご回答をいただけるのは、講座で提供するノウハウが、自社での「いい会社づくり」の実践において実際に効果があったということにほかなりません。
事実、講座の受講を契機に、多くの会社で
「新卒が大手企業の内定を蹴ってまで自社を選んでくれた」
「他で働いている保育士が転職を希望してきた」
「社員の離職率が格段に改善された」
「これまで1、2名しか採用できなかったのに10名も採用できた」
「講座で提供されたノウハウで経営理念浸透が実践できた」
「明らかに持続可能性が高まっていると実感する」
など、その効果を実感する喜びの声がたくさん届いております。
人を大切にする人本経営を自社で実現するためのノウハウを学んでいただく10カ月間の講座で、必ず御社の社風がよくなり、社員の幸福度と顧客満足度が高まる企業文化が醸成されていきます。
経営者と経営幹部の方が同時に受講されることで効果がさらに上がります。
ひと月1回4時間のカリキュラムですが、毎月の実践と課題解決でとてもいいリズムができることと存じます。
また、同じ志を抱いて参加される受講生企業同士の絆は、他の講座では類例をみないくらいに堅く結ばれ、将来に向けて欠かすことのできない仲間づくりが実現しています。
『人本経営実践講座2018』
受講を改めてお勧めいたします。
http://www.keieijinji.com/event/?id=1513229063-286940
また、講座に先駆けて『人本経営まつり2018』という啓発イベントを2月に開催いたします。人本経営とは何かということを1日で理解いただけますので、講座の申込みをするかどうかの判断にご活用いただければ幸いです。
『人本経営まつり2018』 東京2/16 大阪2/23 開催
http://www.keieijinji.com/event/?id=1511764500-054335
2018年は、御社の「いい会社づくり」に貢献させていただけましたなら幸甚です。
みなさまのご参加をお待ちしております。
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