第670号 人本主義で考えるトランプ政権の行く末

第670号 人本主義で考えるトランプ政権の行く末

人本主義で考えるトランプ政権の行く末

米国トランプ大統領。アメリカ第一主義を強烈に掲げ、これまで米国が行なってきた政策とは一線を画す動きを見せています。

一体これからどうなってしまうのか、大変気になるところです。経営と政治はもちろん異なるのですが、根本をとらまえると「人を幸せにする」という本質は普遍であるといえるでしょう。

人本主義という視点から、これからトランプ政権が実施していこうとしている政策は何をもたらしてくるのか考えてみたいと存じます。

■対話のない外交

トランプ氏といえばツイッターが連想できるほど、史上初めてSNSを駆使して大統領になりました。そのツイートは独善的で一方的に断罪しています。「メキシコに壁をつくる、その費用はメキシコに担わせる。」と言い切り、大統領に就任して本当にその大統領令を発令しました。そして、メキシコ大統領との会談もツイッターで「意味がない」とあっさりと中止してしまいました。

人を幸せにしていくためには、丁寧な対話によって価値観の違いを認め、相互理解を深めて、関係の質を高めていくのが大原則です。このようなことを繰り返していけば、諸外国との関係は悪化していく一方になるのは目に見えていて、不幸な人が米国にも外国にも増幅していくことになるでしょう。

■敵をつくらない鉄則からのかい離

人本主義では、敵をつくらない状態を実現していくことで持続可能性を高め、事業体として永続していく道を歩むことができ、その結果、幸せを実感できる人生の実現を図ります。しかし、トランプの目指している方向性は超利己主義で、米国さえよければいいと極端なスタンスで行動しようとしています。排他的でいるので、周りは敵だらけになっていくのです。わが国だけ繁栄していけばいいと利己追求していくと、短期的には国内は潤うかもしれませんが、長続きする訳がありません。

■リスクある急成長

26日の日本経済新聞の報道です。「規制緩和など「企業寄り」の政策を相次ぎ打ち出す姿勢を見せていることが、株式への買いを誘っている。米国の景気や企業業績の拡大期待も背景に「トランプラリー」と呼ばれた株高が再加速する兆しが出ている。25日のダウ平均は一時、前日終値に比べて約150ドル超上昇し、2万ドルの大台を超えた。昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、ダウ平均の上げ幅は一時1700ドルを上回った。ダウ平均の一時2万ドル突破を受けて、トランプ氏は25日、ツイッターの大統領公式アカウントに「グレート!」と投稿した。」

身の丈にあわない急成長は、あとで反動がきて、取り返しのつかない事態になるので、人本主義では木の年輪のように安定的に成長していくことを目指していきます。ですから、目先の利益に一喜一憂しない姿勢を見せますが、トランプは真逆のようです。

おそらくバブルの再現が米国で起きていくのではないでしょうか。わが国にもその影響は及んでくることでしょう。ここは原理原則をしっかりとふまえて行動していくことが、いつもにも増して必要といえるでしょう。

人本主義に照らすと、トランプの政策は破たんへの道をひたすら辿っているように感じます。

原理原則からかけ離れているため、これから何らかの失策が起きた時に、トランプの政治は一気に行き詰っていくような気がしてなりません。その時に、世界最大の権力者が、その持てるパワーをさらに利己的に発揮して世界が大混乱にならないことを祈りたいと願うばかりです。

ただ、そうした世界にとって、価値観を揺さぶられるような有事があって、いよいよ資本主義の時代が本格的に終焉を迎え、多くの人類が幸せになる人本主義の時代が幕開けしていく――そんな気もしないではありません。

いずれにしろ自利利他の実践こそが、幸せな生き方に他なりません。世の中が激変しても、この本質を見失わないように前へ前へ進んでいきましょう。

このコンテンツの著作権は、株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(以下SVC)に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、SVCの許諾が必要です。SVCの許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。


サービス一覧

講座日程一覧

お問い合わせ