第1092号 真実の報道~幸せ軸経営が持続可能な好業績を生み出している

第1092号 真実の報道~幸せ軸経営が持続可能な好業績を生み出している

業績軸の大企業が、黒字にもかかわらず、この先の右肩下がりの経営環境に怯え、中高齢者を希望退職という名目でリストラを仕掛けているという記事が大変多くなってきています。それを政府が「新しい資本主義実現」と銘打って率先し、著名なコンサルティングファームも大々的に宣伝し、仕事にしているのですからたちが悪い状況です。しかし、反面、好業績の企業が、その理由は人を大切にする経営、すなわち業績軸から幸せ軸へ舵を切ったからだと報じられるニュースも散見されるようになってきました。いくつかご紹介してみましょう。

勃興する幸せ軸経営

関東では、駅前のちょい飲みで有名なラーメンチェーンの日高屋。売上高は18か月連続で同月比過去最高額を記録、今期中間会計期間も過去最高額を達成したと報告しています。その好調の理由について二代目の青野敬成社長は産経新聞に取材されていますが、その記事「ハイデイ日高の青野敬成社長、「日高屋」関西と東北に進出へ」において注目すべき発言をされています。

そうした中でも5年連続でベースアップ(ベア)している

「従業員なくして店は営業できない。従業員の安定確保は必要だ。お客さまあってのお店ではある。だが、当社にとって一番は従業員とその家族。次にステークホルダー、お客さま、株主という『人本経営』だ。働く従業員が幸せでないと、会社は長続きしない。給料もさることながら、福利厚生も充実させていきたい」

なんと日高屋の青野敬成社長がわが社の成功は「人本経営」と言い切っているのです。人的資本経営ではなく人本経営です。あえてこの言葉にこだわってインタビューに答えているのです。たしかに同社サイトの方針に「ハイデイ日高は、働く社員の幸せを第一の目的とし、『食』を通じてお客様に満足して頂き、地域社会に必要とされる店づくりを目指します」と掲げられています。人本経営では、理念に「社員の幸せ」を実現するということを真っ先に謳うことだと指導しているので明確に整合しています。それで関わる人が幸せになり好業績ならばとても納得もできるところですし、大いに世の企業に示すべき事例となります。今後の展開に大注目です。

軸を人に変えたあの企業

また、「人」を第一にした経営への転換で最高益を更新という記事も注目です。

経営のプライオリティーを大きく変えることにしました。「人が一番、ビジネスが二番」というものです。短期的な業績よりも、社員が安心して挑戦し、成長できる環境を整えることを最優先に考えることにしたのです。人を大事にすれば優秀な人が集まり、さらに育成することで強くなっていく。そういう人たちが自律的に動けば、結果として業績はついてきます。

無印良品の良品計画の今を伝える記事です。ここも業績軸から幸せ軸へ舵を切って、持続可能性を高める軌道にのってきたという内容です。ハイデイ日高のように「人本経営」という言葉こそ使っていませんが、記事内容から、事実上の年功給の導入、社員株主へ配当還元し老後の財産形成の支援、長期視点の経営など実施していることは確実に人を大切にする経営を実践していると読み取れます。

この類、すなわち好業績の会社の現状を分析すると人を大切にする経営、すなわち幸せ軸に重きをおいた結果であるという類似の報告は今後、急増するのではないかと予測しています。気づいたら当通信で報告をしていきます。業績軸から幸せ軸への必要性を説いてきた当方にとっては、わかり易くて、俄然仕事はしやすくなってきました。完全に追い風です(笑)。人本経営は最幸です。

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