第1091号 知行合一こそ幸せ実現に欠かせない行為

第1091号 知行合一こそ幸せ実現に欠かせない行為

いいと思ったということは、気づきがあったということです。気づきは見えていなかったことが可視化できたという状態です。気づけなければないことと同じです。例えば、家から最寄駅までの道中、赤い色のものがどれだけあるか考えてみてください。信号の赤、交差点にあるポスト、あの店の看板、、、5つくらいは浮かぶでしょうか。しかし、実際はその何倍、ひょっとすると十倍以上、実際には存在しているのです。実際にあるのに認識していない、すわわち、気づけていないからないことと同じなわけです。ですから、とにかく気づけたことは大進歩、大前進なのです。ホンモノに触れて、心からいいと思える確率は10人に1人と言われていますが、気づけたら、その仲間になったのです。

気づきを行動に変えることが成長、成功をもたらす

ですが、気づいただけでは、事態は何にも変化しません。その気づきを活かし、自らの行動を変化させていく行為が伴って、初めて現実は変わっていきます。これを陽明学では「知行合一」と人生を豊かにするための理念として掲げました。裏を返せば、知って気づいても、それを行動に変えることをする人間が少ない、あるいは、することが難しいということを示唆しているのではないかと存じます。実際、いいと思っても、さらに、それを実践していくのは10人に1人くらいと言われています。つまり、気づいても行動に移せるのは100人に1人なのです。小生、2008年に名著「日本でいちばん大切にしたい会社」に出会い、伊那食品工業を知り、世の中にこのような素晴らしい会社があるのかと驚き、人を大切にする経営(人本経営)を知り得ました。すぐに長野県伊那市の同社に訪れ、当時会長でいらした塚越寛さんにも接見する機会を得て、これはホンモノだと確信をしました。大いなる気づきを得たのです。そして、それまでの10年に及んでいた社労士の仕事の意味を問い直すことをしていきました。社労士は、いやしくもヒトの専門家として国家資格を与えられた専門職なのに、労働紛争の解決に明け暮れる仕事を繰り返すことは間違っていると覚醒したのです。そうした不幸な出来事がない企業経営の実現に貢献することこそが社労士の仕事の本質と使命を得たのです。そして、どうすればそうした仕事が実現できるのか、著者であった坂本光司先生に師事をさせていただきながら試行錯誤をしていく日々を重ねてきました。今思うとそれは100人に1人になるための挑戦でした。

理想と現実の狭間でこそ使命に生きる

業績軸から幸せ軸へ、仕事の質を変化させていくことが、新たな社労士像となりました。しかし、現実の日々は、相変わらず、労働トラブルの相談が舞い込んできます。困っているクライアントを見捨てる訳にもいかず、紛争解決の仕事は継続しました。一渡り解決した後で、小生の知行合一は展開されていきました。そのクライアントの経営者に「去年も同様のトラブルがありました。今年も起こり事態は悪くなっています。社員の問題行動も確かでしょうが、それを引き起こしている会社側の人事のあり方に根本問題があります。そこを変革してはいかがでしょうか。答えは人を大切にする経営の実践です」と切り出していったのです。すると多くの経営者は怪訝そうな表情を浮かべ、報酬を支払っているのに、その偉そうな態度はなんだという反応でした。きつい経営者は、顧問契約を解除してきました。それも一社や二社ではありません。しかし、労働紛争を繰り返す会社がよくなることはないと悟った気づきがありましたから、そこを改めようとしない会社の契約が切れていくことは「それならばそれでいい」との覚悟が出来上がっていました。よくならない会社と仕事をしていては有限の時間が無駄になると考えられたのです。そして空いた時間で徹底的に人本経営に成功していくための実務の研鑽に努めました。現実は売上が減り続けていくのですから不安が無い訳ありません。しかし、知った以上、行動なのです。知行合一は、目先の利益を追わず、理想という遠きをはかって、日々、凡事徹底していくことで叶うというのが小生の体感です。修行して3年目、ついに思いに共感してくださった会社が現れ、初の人本経営の指導という仕事を受託したのです。そして、それが大成功し、良縁が紡がれていきました。あっという間に15年の年月が経ち、小生の社労士の仕事は100%人本経営の伝道で構成されるようになりました。結果として労働紛争の処理をしていた頃よりも遥かに好業績ともなりました。刹那は大変でしょうが、知行合一は幸せ実現に欠かせない真の行為と今、心から皆様にお伝えできるのです。

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