人本経営の伝道を使命として活動する社労士のひと月の記録

人本経営の伝道を使命として活動する社労士のひと月の記録

2008年3月に世に生まれたばかりの名著「日本でいちばん大切にしたい会社」に出会い、私の職業人生は一変しました。もう労働紛争ばかり起こしている会社とのお付合いはごめん被ると決断しました。本に出て来るような「いい会社」をつくるお手伝いをしたいという一心にかられ、人本経営の伝道を現在の仕事の理念、ミッションと定めて15年間歩んできました。これまで165社に直接、人本経営実践の指導を実施し、目標とすべき先進人本経営を展開しているいわゆる「いい会社」のベンチマークはこの間850社を上回りました。2023年11月のひと月を振り返って、人本経営の伝道とは、どんな仕事なのかご紹介させていただきたいと存じます。

 

人を大切にする経営の普及促進のためこんな仕事をしています

11/1 社員意識調査の実施 大阪の企業より依頼があり、現在の社員の幸福度やエンゲージメント度をサーベイする「社員意識調査」の調査票(自社開発)を設計し、オンラインでの集計フォームを整え先方に実施のインフォメーションを行いました。

11/2 視察ツアー準備 1週間後に控えた「いい会社」視察会の最終準備を念入りに実施。

11/5 事務所通信の執筆 毎週書き続けている「人を大切にする経営のことがよくわかるメルマガ」の執筆。たいてい毎週土曜か日曜の午前中はこの時間に充てています。

6泊10日の怒涛の人本経営伝道の旅始まる

11/6-7 愛媛県松山市で「人本経営実践講座in四国4期」の講義 10か月の講座の6回目の講義に出かけました。この企画は地元の社労士と共同開催している事業。県内の経営者や経営幹部が受講生。当日は人本経営では鍵となる支援型リーダーの養成について、オリジナル開発している体験ワークを駆使してレクチャーをしました。気づきは強く得ていただけようです。ぜひ良い社風づくりを職場に戻ってしてほしいとエールを送りました。

11/8-9  大阪府大阪市 「社風をよくする研修」講師&GCC運営 指導13年目となった企業での幸せ軸会社づくりのご支援。若手のメンバーに「社風をよくする研修」を受講していただきました。テーマはベタですが「お客様満足」。「お客様のことを覚えて差し上げること、そして今を理解して、その後どうつなげるのか、付加価値をもっと生み出す仕事をしていきたい」など若手からハイレベルなスピーチが続出。今後もお客様から愛され選び続けられるに違いないと確信をしました。番外といわれるくらいの「いい会社」づくりには終わりがないことをこの会社は知っているのです。

夜はこの会社の経営者と共同発起したGCC(グッドカンパニークラブ)を開催。人本経営の仲間を増やすためにつくったコミュニティです。毎回ゲストを招聘しています。今回はこの10年間で75000社→32000社へ半減以上しているという建築業工務店でお客様も自分たちも幸せになる「家道」を通じて日本の家づくりを変えることを実践している会社の社長が登壇。なんと京大卒などの新卒が社員大工としてもう40名も大活躍する幸せ軸経営を邁進されていました。親の負債1億2000万円の連帯保証人からの理想の会社づくりの話は圧巻で聴衆者は一気に引き込まれました。どう考えても幸せ軸経営の実践しかないとさらに確信が深まりました。
翌日、参加者の一人から熱いメッセージが届きました。「「人を大切にする経営」に惚れ込んでおり、是非今後はライフワークとしてもそういった企業風土を作りたい。勉強不足なので、是非今後、ご指導を賜りたい」実はこの方は欧州にある世界的な自動車メーカーのマネジャー。今後、どんな展開になるか楽しみが増えました。こんな出会いが広がります。

11/9-11 福岡県福岡市ほか 「いい会社」3社のベンチマークツアーの運営

主宰を務める人本社労士の会、福岡メンバーの地元での人を大切にする経営実践企業の視察会を開催。25名の参加者を引き連れて、初日は有名物流企業の福岡流通センターを訪問。驚きの障がい者雇用が展開されていました。雇用されている障がい者数は59名(雇用率20%)。特例子会社ではなく、普通に健常者が働く職場で働いていました。倉庫でピッキングをする仕事などに従事して、成績トップ3の社員は全員、障がい者だという。実習を経て働きたいという当事者は、これまで一人残らず採用してきたそう。ここまでの10年で見事な理想的な障がい者雇用が実現されていました。

 

メンタルブロックをいかにブレークスルーするか

2日目はキングオブ人本経営ともいうべきレジェンドの美容室バグジーを視察。今回、久保華図八社長の言葉で最も印象に残ったのは、「日々の生活に流されて思ってしまっている、思い込んでいるメンタルブロックを外さないと人生彷徨うことになる」とのご指摘でした。本当にその通りだと感じました。気づけたので行動に移していこうと決めました。

人本経営実践企業が1社でも増えるようにこれからも頑張っていこう、これが自分のメンタルブロックだと認識できたのです。「1社でも」じゃない。これからの残りの人生で1000社、直接指導、支援させていただく会社を増やすこと。これが自分の登りたい山。このくらいでないと、万燈照国の実現は程遠いに違いありません。一緒にこの山を登りたい仲間を増やすことをしていこう、とおかげ様で一段とパワーアップさせてもらいました。これが「いい会社」ベンチマークの醍醐味なのです。

午後は株式会社障がい者つくし更生会をベンチマーク。障がい者雇用率100%超、ここには障がい者という概念がなく、全員が質の高い仕事を責任感をもち主体的に行なっていることで全国600ある廃棄物処理プラントのトップブランドとして全国から視察がやまない事業を確立されています。まさしく文字通り、日本でいちばん大切にしたい会社そのものでした。

11/14-15 岐阜県高山市 岐阜県主催「宿泊施設における人出不足解決セミナー」講師

スタッフが辞めない、そして働きたくなる職場づくりをどうしていくかを地元の旅館、ホテル業の経営者、リーダーに気づき、考え行動に変えていってもらう6か月のプログラム。岐阜県から事業を受託したリクルートから協力要請がありコーディネーターとして参加。当方の役割は言うまでもなく人本経営の伝道、これ以外にない。聴講後、参加者は、人本経営は素晴らしいあり様で共感したという方がほとんど。今後いかに幸せ軸へ企業風土を変革していくか課題をシェア。翌日は2社の老舗旅館を訪問して直接の相談指導。いずれも女将さんがお相手でした。日々の目まぐるしい仕事の合間に従業員との対話の場づくりをしていくことの重要性について気づきを得ていただけました。

11/16-17 大阪府大阪市 「社風をよくする研修」&人本経営実践講座の講義

コロナ禍真っ只中に幹部に皆さんに10ヵ月間、人本経営実践講座を施した大阪の会社で新人の皆さんに「社風をよくする研修」受けていただいた。テーマは「長所の発見とその伸展」について。たくさんの気づきを得ていただきました。翌日は弊社主催の人本経営実践講座大阪9期の第8回目の講義。人本経営における人づくり、人材養成の極意を余すところなくお伝えして参りました。

11/20-29 東京、首都圏にて クライアント接見&次月の準備

この間は東京の事務所で執務。4社の人本経営指導顧問先での打合せや研修、社員意識調査の支援を実施。また翌月に予定されている再びの全国での人本経営伝道の仕事の準備を怠りなく実施しました。さらに来年に行いたい人本経営伝道のための新企画を構想。

11/30 東京 月刊総務「人本経営」執筆

そして、11月最後の日は、この原稿を自宅の書斎でしたためています。この時間も自身の活動を振り返り、社会に啓蒙していくためのかけがえのない仕事です。機会を与え続けてくださっている薄井博子編集長には感謝しかありません。ありがとうございます。

こうして、今、社労士という職業は変わっていませんが、現在、ほぼ100%人本経営の伝道の仕事となりました。今、この仕事をやっていてよかったと心から思える日々が続いています。(了)

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