第704号 日本・平成世代 米国・ミレニアル世代|2017|新SVC通信|株式会社シェアードバリュー・コーポレーション

新SVC通信

2017/10/02

第704号 日本・平成世代 米国・ミレニアル世代

「人を大切にする会社」に関するトータル情報誌
新SVC通信 第704号



日本・平成世代 米国・ミレニアル世代



平成世代の特徴について、これまで何度かお伝えしてきました。

先頭はまもなく30歳に到達しようとしているこの世代は、いよいよこれからの時代に社会の中核で活躍が期待されるようになってきています。雇用面・マネジメント面・商品開発面など、今後あらゆる面で企業はこの世代を意識していくことを求められてきているといえるでしょう。

改めて平成世代について研究を進めていくことにいたしましょう。

〇所有欲が低い

団塊の世代が競って物質的に豊かになることを指向したことに比べて、物欲がガツガツとしていない傾向があります。

彼らはバブル経済崩壊後に生まれ、そして物心がついて人生を歩んできました。しかも少子化が激しく進行する社会環境の中で、ゆとり教育を施され、家庭でも親に時間を注がれて大切に育てられてきたことでしょう。きっと多くの人が、エアコン付きの一人部屋が当たり前という少年少女時代を過ごしていたに違いありません。社会全体では右肩上がりの経済環境が棄損され、経済指標はガタガタになりました。しかし、世の中にはモノがあふれ、何不自由なく生活できたのが習い性です。物欲が低くなるのはある意味当然のことといえるでしょう。

〇小学生から「ケータイ」を持ち、「パソコン」「インターネット」が当たり前の環境で育った

デジタルネイティブということが、それまでの世代とは決定的に違う個性を育てている大きな要因となっています。もちろん個人差はあるに違いありませんが、情報収集・情報処理・判断というリテラシー能力は、それまでの世代とは格段の差があります。いわばビッグデータを使うことが当たり前の感覚です。多様性の時代の申し子といえるでしょう。この面では、50歳代以上とは明らかなアドバンテージを有していると言って差し支えないでしょう。

〇拝金主義を嫌い、社会に役立つことで自分の存在価値を見出している

およそこの世代は、出世争いとか、生き馬の目を抜くような突出した単独行動というのは似つかわしくありません。人との関わりを大事にして、その中で自分という存在が役に立ち、相手に喜ばれることに喜びを感じています。精神的な幸せに敏感であるといえるでしょう。「人は物質的欲求が満たされると愛と承認の欲求を求める」と説いたマズローが、欲求段階説で指摘したことがそのまま投影されていて、とても説得力があります。

〇日本人史上最高のパフォーマンスを実現する人材を数多輩出している

平成元年生まれのプロテニスプレーヤー、錦織圭選手あたりから堅調ですが、最近では日本人史上初めて9秒台をマークした陸上の桐生祥秀選手、長い歴史がある将棋界でデビュー後歴代最高連勝記録をあっさり更新した藤井聡太棋士の出現など、超人的な人材が平成世代から輩出され続けています。

マズローは「最も高次の欲求段階は自己実現」と指摘していましたが、まさしくの感です。精神的欲求が満たされる環境が与えられると、この世代は自己実現、それも前人未踏レベルのパフォーマンスを達成してしまうポテンシャルにあふれていると認識できることはもう間違いないでしょう。

■日本・平成世代、米国・ミレニアル世代

驚いたことに、平成世代現象は実は日本固有のものではなく、米国でもミレニアル世代として注目されています。米国では1980~2000年に生まれた若者たちを指し、平成より10年幅が広くなります。この世代は、個人主義的な傾向が顕著な先行世代に比べ、共同体への帰属意識が強く、社会貢献やボランティアにも関心が高いと分析されています。そして、フェースブックの生みの親、マーク・ザッカーバーグCEOなどがこの世代の代表格として紹介されています。

団塊の世代が100年かけてもフェースブックを生み出すことは到底できないだろうということは、ほとんど異論が出ないと感じます。これからの社会に必要な「有効な供給」をしていくことが、これから必要とされる企業になります。この世代の精神的充足を満たして、彼らの自己実現したい発想を妨げずに支援できる組織が、社会の中心になってくることは確実です。

それを実現できる鍵は、精神的充足を満たす幸せ軸で組織づくりを実現する人本経営にあると気づけていることは、成功を手に入れていることとイコールです。あとは実践あるのみ。これに尽きます。


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